世界が泣いてるなら ―帰 還― 5 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

そして、咲子が買いものに出かけてから

 

1時間が経過した・・・

 

咲子が帰ってきた。

 

「只今。理佐。」

 

「おかえり、お母さん・・・え??」

 

理佐は驚いていた。

 

そう、咲子の後ろに派手な服を着た

30代前後の男性が2名はいってきたのだ。

 

「理佐…お願いあるの…私の為に

この人たちの元で働いてくれないかい…」

 

咲子は理佐を見つめて怪しい笑みを浮かべた

 

「どう云うこと??お母さん!」

 

理佐は咲子の右手首を両手で掴んだ。

 

「ごめんよ…実は借金が200万程あって、

返せないんだよ。この人たちが

いい仕事を紹介してくれるから

働いてくれないかい?」

 

すると、男の一人が口を開いた。

 

「ほぉ~あんたの娘にしちゃあ~

 上玉じゃないか!

 これは稼いでくれそうだなあ!」

 

そう、咲子は借金の肩に理佐を風俗に

 

売り飛ばそうとしていたのだ。

 

その瞬間、

理佐の首が下がり一瞬目を閉じた・・・

 

そう人格が入れかわったのだ。

 

これ以上母親の裏切り行為を

聞かせる訳にはいかないと思った友梨奈が

15名いる人格の中で

菅井友香を理佐と入れ替えたのだ。

 

「わかったわ。お母さん。私、働くわ。」

 

「本当かい??ありがとう!理佐!」

 

咲子は理佐に抱きついた。

 

2年前に警察から理佐は多重人格者だと

告げられていた咲子だったが、

男に夢中だったその時は気にも止めておらず

現在、人格が入れ替わっているとは

思ってもみないでいた。

 

「ほぉ~物分かりのいい娘で助かるよ!

じゃあ行こうか!」

 

理佐(人格は友香)は

男達の後ろについて部屋をでた。

 

「これで、借金は返せますよね??」

 

咲子が男達に訊いた。

 

「ああ!その気になれば3カ月で返せるよ。」

 

そう言って、男達は階段の方へ歩いて行った。

 

先に男二人が階段を降りようとした時だった。

 

理佐(人格は友香)は

隠し持っていたスタンガンで男の首に当てたのだ。

 

男は前の男に覆いかぶさるように倒れ込み

 

二人の男は階段の下へ転げ落ちたのだ。

 

そして、理佐は

唖然としている咲子を見て言葉を発する

 

「あんた!絶対に許さないからね!」

 

鋭い目で咲子を睨んだのだ。

 

この瞬間、友梨奈に入れかわったのだ。

 

『あんた…理佐なの??」

 

咲子は怯えて後ずさりした。

 

そして、理佐(人格は友梨奈)は階段を駆け下り

転倒している男達を尻目に走って

逃げ出したのだ。