世界が泣いてるなら(欅坂46編)3 | じゅりれなよ永遠に

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阿部は切り口を変えて見ようと話題を変えた。

 

「では、君と先生の関係を

詳しく教えてくれないか?」

 

阿部は

恋愛感情の縺れが動機だと睨んでいた。

 

「私と先生は

1年ぐらい前からつき合ってました・・」

 

「ほんとうに、つき合っていたのかい?」

 

理佐の表情が少し険しくなった。

 

「本当です!

先生は私のこと好きって言ってくれました」

 

少し涙声だった。

 

「最近、別れ話をされたとか

そんなことはなかったのかい?」

 

阿部は優しい口調で問いかけた。

 

「あ・・ありません・・・」

 

「では、先生の態度が急に冷たくなったとか?」

 

阿部はあらゆる可能性を理佐にぶつけていった。

 

「・・・う・・う・」

 

なにか思い当たる節があるのだろうか?

理佐は泣き出した。

 

阿部は慎重に問いただした。

 

「泣いていてもわからないよ。

本当のことを教えてくれないか…」

 

理佐は静かに下を向いて泣いていた。

 

そしていきなり口を開く。

 

「理佐をいじめるなああ!!」

 

阿部は驚愕した。

 

「な・・なに!」

 

急に理佐の表情がまがまがしくなり、

阿部の胸倉をつかんで言い放った。

 

「いいか・・理佐はなにも知らないよ。

 教えてほしければ僕が教えてやるよ。」

 

理佐は阿部の胸元から手をはなし、

軽く体を押して阿部を座らせた。

 

あっけにとられた阿部は暫くして理解した。

 

「多重人格障害」

 

阿部は全てを理解した上で問いかけた。

 

「君は誰なんだい?」

 

理佐は妖しく微笑んだ

 

「友梨奈・・僕の名前は平手友梨奈!!」

 

そう、理佐は多重人格者だった。