涙の滴 5 | じゅりれなよ永遠に

じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

最近、理佐は自分の部屋で友梨奈と

二人で食事をとることになっていた。

 

理佐はこの時間が一番楽しかった。

 

母親が亡くなって以来、人とテーブルを挟んで

食事をしたことがないからである。

 

でも理佐は不安であった。

 

友梨奈が記憶をとり戻した時に

自分の元から去ってしまうのではないかと・・

 

「どうしたの?」

 

理佐の不安げな表情を

友梨奈は読み取ったのである。

 

理佐は思わず口にしてしまった

 

「友梨奈・・どこにも行かないでね。

 記憶が戻っても、私の傍にいてね」

 

その言葉に友梨奈は愛らしい笑顔で答える。

 

「大丈夫だよ

私、理佐さんが大好きだから」

 

友梨奈はこの半年、

理佐と接してわかったことがある。

 

理佐は孤独に

必死に耐え忍び愛情に飢えている。

 

それが故に

哀しいまでも自分の感情を表にださない。

 

けれど、人一倍優しく情に厚い

 

友梨奈はそんな理佐のことが

記憶をなくしながらも大好きである。

 

故にこのように

感情を自分にぶつけてきてくれたことが

非常にうれしかったのである。