おにぎりを食べ終えると
友梨奈はカメラを取り出し
海の写真を撮り始めた。
写真を撮る友梨奈の表情は
生き生きとしているなあ・・・
それに比べて私ときたら
定職にもつかず、キャバクラで働いて
男に貢いでいる。
ホント情けないな・・・
写真を撮り終えた友梨奈が
また私の右横に座った。
「色々あるみたいだけど、頑張ってね。
月並みなことしか言えないけど
“ねる”のこと応援してるから」
「友梨奈・・・・」
なんだろう…
なにか生まれ変われる気がしてきたよ
寂しさを紛らわすために
自分を偽ってはいけない。
よし、今日から前を向いて生きていこう。
「ありがとう。友梨奈・・・
なにか元気が出てきたわ。」
「そう、よかった!」
「ほんと、海はいいよね~~」
私は立ち上がって思いっきり伸びをした
するとシャターの音がするではないか?
「え??ちょっと、ヤダー」
友梨奈が私を撮影していたのだ。
「ごめん・・・凄く綺麗だったから・・・
“ねる”の笑顔がとても素敵だったから」
「友梨奈・・・」
なんだろ・・・
友梨奈のことが愛しく感じてきたよ
そして、私は髪の毛をかきあげて発言する
「綺麗に撮ってね。」
「うん!」
友梨奈はシャッターを切った。
不思議だ・・・
友梨奈の前だったら自然な顔でいられるよ。
そして暫くすると友梨奈が近づいてきた。
私達は両手で手を握り合い、
波音が響く中、静かに唇を重ね合わせていた。
こうして、私達はつき合うことになったのだ。