夢を見れば傷つくこともある 29 | じゅりれなよ永遠に

じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

その頃友梨奈は涙を堪えながら

駅に向かっていた。

 

(はっきりと言われたんだ・・・

こんどこそ玲奈さんを忘れないと)

 

やがて、雪が舞い降りてくる。

 

友梨奈は立ち止まり空を見上げ

顔全体で雪を受け止め呟く。

 

「幸せになってね。

遠くで祈っているから。」

 

その時だった…

 

後ろからだれかが抱きついてきた。

 

友梨奈はその人物が誰かすぐに分かったのだ。

 

なんども体を重ね合わしているからこそ

その人物をすぐに特定できた。

 

当然玲奈である。

 

「友梨奈、ごめんね!

私は嘘をついていたわ!

私も貴方が大好きだよ。

貴方と離れることはもうできないよ。」

 

玲奈は後ろから抱きしめたままであった。

 

「嬉しい・・・

でも、私となんか不釣り合いだし、

玲奈さんに迷惑がかかるよ。」

 

「私ね、亡くなった母のために

今までは生きてきたわ。

でも、やっぱり私の人生だもの

私の為に生きるよ。

きっと、お母さんも許してくれるわ。

友梨奈。私とつき合おう!!」

 

その言葉に

友梨奈は後ろから抱きしめられたまま

顔を崩して号泣する。

 

「いいの??本当にそれでいいの?」

 

「友梨奈を失いたくないの!

友梨奈が私の全てだよ!」

 

玲奈がそう言うと友梨奈は体を入れ替え

 

玲奈の胸に顔を埋める。

 

玲奈はもう一度強く抱きしめる。

 

雪の降る中で二人は

愛を感じあっていたのであった。