一方、ラウンジを後にした玲奈は
友梨奈にはすまない気持ちが溢れ出ていた。
だが、玲奈は友梨奈に迷惑をかけても
信一達の言いなりにはなる気はなかった。
それだけ玲奈の意志は強かったのだ。
エレベーターで3階のフロントまで降り
そこから長いエスカレータで
1階まで玲奈は降りるのであった。
だが、運命は皮肉なものだ。
丁度前方から友梨奈が客らしい女性と
腕を組んでエスカレータで
上がって来るではないか!
(友梨奈・・・)
(玲奈さん・・・)
すぐにお互い気付くのであった。
二人とも視線をそらすこともなく見つめ合った。
そして、すぐに交差して
すれ違っていくのであった。
(ごめんね…)
そう思いながら玲奈は下を向いた。
一方友梨奈は後ろを振り向き見えなくなるまで
玲奈の後姿を見つめていた。
もう、諦めなければ
ならない存在であるのはわかっている。
でも、好きと言う気持ちは
どうしょうもないのである。
愛しさと切なさが
溢れ出て来る友梨奈であった。