(渡邉理佐side)
お通夜から1時間後
私は友香と別れ、
最寄りの駅を下車して
歩いて自宅マンションへ向かっていた
何故だろう・・・
私を好きになってくれた人が
3人も殺されたのに
私は今、晴れやかな気持ちでいるよ。
それは、きっと友梨奈が私のことを
まだ好きだと言ってくれたからだ。
友梨奈の束縛が嫌になって
大学時代、彼女に別れを告げたが
やっぱり、私は
友梨奈がずーと好きだったんだよ
今日、それがやっと分かったよ。
やがて、空から雪が舞い降りてきた。
私は全身で雪を受け止める。
私の顔に降り注ぐ雪はすぐに溶ける。
お陰で唇が熱く感じるよ。
まだ、唇に友梨奈の感触が残ってるよ
私は唇に右手の人差し指を当てて
キスの余韻に浸った・・・
だが、次の瞬間前方に
灰色のフードコートを着ている人物が
50m先に立っているではないか。
あれは、確か友梨奈の部屋に
あったコートと同じ物じゃ・・
友梨奈??
そして、この人物の右手には
刃物が光っていた。
え???
私、殺されるの?
灰色のコートの人物は走り出し、
私のほうへ向ってきた。
そうか・・・
友梨奈が身辺を綺麗にするって
私を殺すことなのか・・・
私と私を学生時代に
好きになった人を殺すことで
あなたは過去の苦しみから
解き放たれるんだね。
いいよ!友梨奈・・・
貴方の心が解放されるなら
私は喜んで死を受け入れるよ!
私は両手を斜め前にして
彼女を向かえた。
友梨奈・・・
貴方が私を刃物で貫く瞬間が
私達の愛が成就する時なんだよね。
さあ友梨奈・・・
遠慮なく刺して・・・
私はこれで貴方への愛に殉じれるよ・・・