1回生の長濱ねるは
別にソフトボールに
興味はなかったのだが
大学で理佐に一目惚れして、
今年6月に入部してきた。
理佐目的と思われると避けられると考え
ねるは理佐にはアッタクせず懸命に練習した。
だが、運動神経のない“ねる”は
中々上達しなかった。
しかし、理佐は
“ねる”の姿に心打たれて、
いつのまにか仲良くなっていた。
なので、この仲良し5人組の忘年会に
今回参加することができ、
理佐をなんとか映画に誘おうとしていたのだ。
「でも、アニメの実写版は原作のイメージを
壊してしまうのが多いからあまり興味ないの」
「そうなんですか・・・」
“ねる”は理佐が食いついてくれないんで
少しがっかりした。
それを聞いていた友梨奈は少し安心していた。
やがて、食事が終わり
理佐と“ねる”が並んで食器を洗っており
その近くでこのマンションの借主である
山本彩がコーヒーを入れていた。
友香と友梨奈、珠理奈はリビングの
L字型のソファーに座りながらテレビを見ている
暫くしてからだった、
珠理奈が立ち上がり食器を洗う理佐のもとへ
「二人にやらしてばっかりだから
私が代わるよ」
「私は大丈夫よ!
“ねる”、珠理奈と代わってもらったら。」
「私も大丈夫です。
珠理奈先輩は休んでいてください。」
“ねる”は理佐との
二人っきりを邪魔されたくなかったのだ。
「じゃあ、私も手伝うよ。お皿は私がふくから。」
そう言って、珠理奈は“ねる”の横に来たのだ。
これに対して“ねる”はムッとした表情になる
「大丈夫って言ってるじゃないですか。!」
“ねる”は声を大きくした。
リビングにいる友梨奈にまで
この声は届いており
みんな一斉に“ねる”を見るのであった。
「ごめんなさい、大きな声を出して
本当に大丈夫ですから・・・」
“ねる”は珠理奈に詫びた。
「わかった・・・」
珠理奈はソファーに戻るのであった。
なんとなく気まずい雰囲気が流れた瞬間だった。