風に吹かれても ―罪と罰―12 | じゅりれなよ永遠に

じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

マンションに帰ると私は夕食の用意を始める。

 

作っている最中いつも思ってしまうことがある

 

それは、理佐にご飯を作ってあげて

おしいいって言われたら

どうなに幸せだったなんだろうと。

 

私はつくづく女々しい性格なんだなぁ・・・

 

ここまで引きずっているんだから。

 

やがて、カレーライスが出来上がる。

 

それと同時に友香が仕事から戻ってくる。

 

「お?良い匂いね~~食欲がそそるわ。」

 

「おかえり、手を洗って食べよう。」

 

「うん、美味そうだね~~」

 

友香は手を洗い、テーブルにつく。

 

そして、おいしそうにカレーライスを頬張る。

 

「おいしい!さすがは友梨奈ね。

本当に料理が上手ね。

一緒に住んだかいがあったわ。」

 

友香は喜んで食べてくれる。

 

私はまた理佐の顔を頭に浮かんできた。

 

こんな風に喜ぶ姿を見たかったなあ・・・

 

「あ~~~また理佐さんのこと

思いだしてるんでしょ?」

 

「え??うん・・・」

 

私は友香には

強がりを言わないようにしている。

 

友香と一緒に住む理由は、

同じことでも

何度でも聞いてくれるんだ。

 

だから、私は救われているんだ。

 

友香は私と一緒に暮らすときに

言ってくれたんだ。

 

無理に忘れようとしなくていいから、

女々しくてもいいから、

思うことなんでも言ってね

そしたら、そのうち消えていくから。

吐き出すもんは全て吐き出さなきゃ駄目よ

私は何時でも話を聞くからね“ と

 

友香と知り合ってまだ1年足らずだが、

本当に一番の親友だよ。

 

「ホント理佐さんは馬鹿ね、

友梨奈とつき合ったらこんなおいしい料理が

食べられてたのにね。」

 

「ありがとう。」

 

「なんなら、私とつき合う??」

 

「ごめん!

友香はまったくタイプじゃないんだ。」

 

「言ったわね。それはこっちのセリフよ。」

 

私たちは顔を見やわせて笑った。

 

この友香がいてくれるから、

私はなんとかバランスを保つことができている。

 

本当に感謝しているよ。