マンションに帰ると私は夕食の用意を始める。
作っている最中いつも思ってしまうことがある
それは、理佐にご飯を作ってあげて
おしいいって言われたら
どうなに幸せだったなんだろうと。
私はつくづく女々しい性格なんだなぁ・・・
ここまで引きずっているんだから。
やがて、カレーライスが出来上がる。
それと同時に友香が仕事から戻ってくる。
「お?良い匂いね~~食欲がそそるわ。」
「おかえり、手を洗って食べよう。」
「うん、美味そうだね~~」
友香は手を洗い、テーブルにつく。
そして、おいしそうにカレーライスを頬張る。
「おいしい!さすがは友梨奈ね。
本当に料理が上手ね。
一緒に住んだかいがあったわ。」
友香は喜んで食べてくれる。
私はまた理佐の顔を頭に浮かんできた。
こんな風に喜ぶ姿を見たかったなあ・・・
「あ~~~また理佐さんのこと
思いだしてるんでしょ?」
「え??うん・・・」
私は友香には
強がりを言わないようにしている。
友香と一緒に住む理由は、
同じことでも
何度でも聞いてくれるんだ。
だから、私は救われているんだ。
友香は私と一緒に暮らすときに
言ってくれたんだ。
“無理に忘れようとしなくていいから、
女々しくてもいいから、
思うことなんでも言ってね
そしたら、そのうち消えていくから。
吐き出すもんは全て吐き出さなきゃ駄目よ
私は何時でも話を聞くからね“ と
友香と知り合ってまだ1年足らずだが、
本当に一番の親友だよ。
「ホント理佐さんは馬鹿ね、
友梨奈とつき合ったらこんなおいしい料理が
食べられてたのにね。」
「ありがとう。」
「なんなら、私とつき合う??」
「ごめん!
友香はまったくタイプじゃないんだ。」
「言ったわね。それはこっちのセリフよ。」
私たちは顔を見やわせて笑った。
この友香がいてくれるから、
私はなんとかバランスを保つことができている。
本当に感謝しているよ。