風に吹かれても ―罪と罰―
「友梨奈、ごはんできたよ。」
「今行くよ。」
「今日は、トンカツよ!どぉ?
美味しそうでしょ?」
「友香が作ったにしてはおいしそうだね。」
「なにそれ?褒めてるの?」
「すきにとってよ!頂きます。」
私は今、この菅井友香と同居している。
でもあくまでも友人としてルームシェアだ。
私たちはバイトで知り合い意気投合して
この春に一緒に住みだしたのだ。
「明日の夕食は友梨奈が作る番よ。」
「まかせてよ、
友香よりは美味しいものを作るから。」
「あ~~言ったなぁ~
楽しみにしているわ。」
友香は私と同じ年の22歳だが、
すでに社会に出ている
職種は中小企業の事務員である。
私は大学4回生になっていた。
そう、理佐に土壇場で裏切られてから
1年と3か月が経過していた。