(渡邉理佐side)
それから、3か月が経過した
私は”ねる”に例の彼女のことを
聞けずにいたのだ。
夏のお盆も“ねる”は
仕事でろくに休みが取れていない。
なので、8月は
1回しか彼女と会えていないのだ
私はきっと例の女性と毎日会っているから
もう、私のことは
必要ないと思われているのではと
考えるようになったのだ
そして、私はついに決心して
“ねる”にこの不安な気持ちをぶつけようと
或る夜、“ねる”の勤める店に出向いたのだ。
私は少し離れた所で
“ねる”が出てくるのをまったのだ。
夜の21時店が閉まる。
暫くすると、“ねる”は
例の女性と二人で出てきた
二人は手を繋ぎ仲睦まじく歩いている。
私は後ろから声をかけた。
「“ねる”!」
「理佐さん・・・?」
“ねる”は繋いでいる手を離し
驚いた表情でこちらを見る。
「なんでここに??」
「こちら駅に用事があったから
“ねる”のところについでによってみたの」
今まで強ばっていた“ねる”の顔が
急に笑顔になった。
だが、それがつくり笑顔だと
私には分っていた。