「…友梨奈、久しぶりだね。」
私は立ち止まり友梨奈を見た。
「理佐がこの時間帯に、
帰ってくるのって珍しいよね。」
「うん、ちょっと友達とおしゃべりしていたら
遅くなったの」
「へえ・・・そうなんだ」
「友梨奈こそ、なんでこの駅に下りたの?」
「ちょっと、懐かしくなったもんで
おりてしまったんだ。」
「そうなの…」
「あ…よかったら、こっち座りなよ。」
友梨奈はなんのためらいもなく
私に自分の横に座るように促してくる。
友梨奈には別れのラインを送って以来
一切喋ることも
通信することもしていなかった。
あなたへの想いが蘇りそうで怖いよ。
でも、友梨奈は
動揺した様子が見受けられない。
そりゃ、そうだよね。
友梨奈ほどの女の子なんだから
すぐに新しい彼女が出来ていても
不異議じゃないものね
もう、私のことは過去として
割り切っているに違いない。
だったら、私も割り切らないと・・・
私は友梨奈の右横に座ることにしたのだ。