風に吹かれても16 | じゅりれなよ永遠に

じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

待ち合わせ場所に到着すると

理佐は風に吹かれながら、

寂しそうな表情をしていた。

 

だが、私はめんどくさかったのだ・・・

 

とにかく早く練習したくて

うずうずしていたんだ。

 

「理佐…おまたせ。」

 

私の声を聞くと理佐は笑みを浮かべる

 

「ごめんね。友梨奈…呼びだして。」

 

理佐が作り笑顔なのがすぐにわかった。

 

「それで、どうしたの?

わざわざこんな所に呼び出して。」

 

「だって最近、

友梨奈は電話にも出てくれないし

ラインも返してくれないから…」

 

理佐は私から視線をそらした。

 

「色々忙しんだ。」

 

「でも、電話ぐらい出てほしいの・・・」

 

「今、バスケの練習を

夜遅くまでやっているんだ。

レギュラーが懸っているから、

時間がいくら有っても足りないの。

それぐらい理解してよ。」

 

私は自然と語尾が強くなった。

 

「ご…ごめんなさい」

 

理佐は小さな声で謝罪した。

 

「話ってそれだけ?じゃあいくね!」

 

私は振り向いて、去ろうとした。

 

「あ・・・まって、友梨奈、お願い。

今晩家に来てくれないかなあ、

一人でいたくないの。」

 

私はその言葉に振り向いて言い放つ。

 

「なに?また両親がもめてるの?

何時ものことでしょ?

そんなのいい加減になれてよ。

私は1秒でも多く

練習しなければいけないの。

何時までも私に甘えないでよ!!」

 

本当に非道いことを言ったかもしれない…

 

でも、私の大変さを

理佐もわかっていてくれていると

私は思い込んでいた。

 

私の言葉を聞いた理佐は

見たこともないような悲しげな表情をする

 

「…ごめんなさい。じゃあ、帰るね…」

 

理佐は私の横を通り抜け、校門へ向かった。

 

その横顔は、今にも泣きそうだった・・・

 

でも私は理佐を追いかけることもせず。

 

さっさと、体育館へ練習に向かったのだった。

 

この時どうして、

優しくしてあげることができなかったんだろう。

 

私は後に死ぬほど後悔することになる。