(渡邉理佐サイド)
午前1時すぎ、風俗の仕事を終え
私はマンションの自分の部屋に到着した。
「ただいま。」
私はマンションの4階に
2LDKの部屋を借りている。
「お帰り、今ご飯ができたからな」
「わあ~おいしそう」
「手を洗ってこいよ」
食事を作って
私の帰りを待ってくれている男性は
松阪桃李24歳
高校時代の同級生でもうつき合って
7年になる。
私は大学卒業後、
スポーツ用品メーカーの
事務員として就職した。
一方彼は高校卒業後
美術大学に進み画家になったのだが、
当然そんなに簡単には上手くいかない。
だが、彼は海外で個展を開くのが夢なので
絵を描くことに集中している。
彼の絵は風景が専門だが、
月に1枚売れればいい方である。
色んな所に出展したり、
東京で個展を開いたりしているが
いまだ芽が出ない状態である。
当然、全ての費用は私が出している。
だから、私は平日の夜 3日だけは
風俗でバイトしてなんとかやりくりしている。
私が就職したと同時に
彼の夢をかなえてあげたくて
私の強い勧めで同棲をはじめたのだ。
彼の絵を描く部屋を1部屋用意し、
生活費も画家の活動費も
すべて私が出している
なので、彼が家事全般をやってくれている。
でも風景画の
題材になる写真を撮影するため
月に4日~5日は
全国を駆けずり回っている。
そんな夢を追いかける桃李のことを
私は愛している。
彼の夢を適えて上げるのが
私の夢なのだ。
だから風俗で体を汚すことは
苦痛でもなんでもないよ