さよならのエトランゼ 24 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

「もう、全てを話すよ・・・」

 

友梨奈は再びベンチに座り

私に座るように促した。

 

「私の兄がこの半グレ集団“紅”を立ち上げたの

兄とは7歳年が離れていたわ

主に違法カジノで儲けていたよ」

 

「お兄さんがいたの。」

 

「うん、私の両親は私が

2歳の時に事故で亡くなったんだ。

それ以来、親戚の家をたらい回しにされたわ。

独立する為兄が高校2年の時に

紅を作ったの。

でも、私が高校1年の時、兄は病気で亡くなった・・・

私は兄の作った紅を守りたかったから

高校1年の時に後を継いだんだよ。」

 

友梨奈は少しセンチメンタルになっていた。

 

「そうだったんだ。」

 

「私達紅は違法カジノは行なっていたけど

ゆすりやたかりなど強制的な犯罪はけっして

行なわなかった。でも、有る時

私が後を継いですぐに、

新たな勢いあるグループができたの。

それが“ブラッグ”だった。」

 

「同じ半グレ集団なの??」

 

「そうだよ、こいつらは、女性を騙して

売春させるのが手口だったんだよ。

そのリーダーが竹内先生で

構成員に菊池君がいたの

彼らは女性を口説き落として関係をもち

それを隠しカメラで録画してそれをネタに脅して

売春させてたんだよ。」

 

「え??じゃあ、

私もターゲットだったの??」

 

「・・・うん。理佐が私の言うことを

訊いてくれないと分かったんで、

私は姿を消して、竹内先生を見張っていたの

そして、理佐とデートの日に

彼は、その日に理佐をホテルに

連れ込む段取りをしていたので

仲間を使って拉致したわ!」

 

そんなあ・・・

 

あの二人は私に売春させるために

近づいてきたのね・・・

 

「どうして、教えてくれなかったの?」

 

「私の素性を知られたくなかったの・・・

理佐とは友達でいたかったから。

それに竹内先生がリーダーと分かったのは

菊池君を拉致した時なの。」

 

「でも、どうして友梨奈が

そこまでして私を守ってくれたの??」

 

私の言葉を聞くと友梨奈は

立ち上がった。

 

「好きだから・・・」

 

「え??」

 

私は立っている友梨奈を見上げた。

 

「高校1年でとなりのクラスにいた理佐

を初めて見た時から好きだったの。

だから、守りたかったの!」

 

「でも、殺すことはなかったんじゃないの・・」

 

「あいつらに泣かされた女性は

30人以上いるんだよ。

それを苦に自殺した人もいるし、

今も苦しんでいる女性が居る。

あいつらがしたことは、心の殺人だよ!

だから、山中に生き埋めにしたんだよ。

犯した罪を悔い改めさせるために。」

 

私はなんて言っていいのか

分からなかった。

 

でも、これだけは言える。

 

今、私は無事社会人でいられるのは

友梨奈のおかげだね。

 

「じゃあ、私は行くね。

私は闇の人間だから、理佐と

2度と会うことはないよ。」

 

友梨奈が歩き去っていった。