(渡邉理佐side)
「出かけるのか??」
私が玄関で靴を履いていると
父が声をかけてきた。
「うん、行ってくるね!」
「また、例の彼女か?」
「そうだよ」
「定職もつかず、
踊りなんかをチャラチャラやっているやつに
ろくな奴はおらんぞ!」
父は私が斗真さんの誘いを断り
友梨奈とつき合ったことに快く思っていない。
「そんなことないよ。
友梨奈は夢に向かって
毎日頑張っているんだよ。」
「まあ、あんまり遅くなるなよ。」
「はい、行ってきます。」
私はいつも練習の終わる1時間前に
駅の空地に到着している。
そして、友梨奈の練習風景を見ている。
友梨奈の生き生きした姿を見ると
自分まで一緒に踊っている気分になる。
友梨奈とつき合ってから
本当に心の底から明るくなったと思えるよ。
「よし、今日はここまで!」
チームのリーダーらしい人が声をかける
私はタオルをもって友梨奈のそばにかけよる。
「お疲れ様!」
「あ・・ありがとう・・・」
あれ??
今日の友梨奈は何か変だな・・・
「相変わらずラブラブですね~~」
友梨奈の後輩である長濱さんが冷やかしてきた。
そして、近くにいた山崎さんも声をかけてくれる。
「私も理佐さんみたいな
奇麗な彼女がほしいなあ~~」
「山崎さんに褒められて嬉しいよ!」
私はこの二人ともすっかり仲良くなっていた。
「じゃあ理佐、行こうか!」
「うん、長濱さん、山崎さん、失礼します」
私たちはいつものように
友梨奈のアパートへ向かった。