(平手友梨奈side)
私は外に出ると
すぐに理佐の後ろ姿を見つけて
声をかける。
「理佐~~まってよ。」
その声に理佐は立ち止まって振り向いた。
「久しぶりだね友梨奈。元気だった??」
「ああ、理佐も元気だった?」
「うん、元気だよ!
友梨奈は立派になったね。
こんなお店をもっているんだから。」
「小さくて古いけど、私のお城だよ。」
「生き生きしてるね。
昔の歪んだ笑みが消えて、
爽やかになってるよ。」
「全部理佐のおかげだよ。ありがとう!」
「私はあなたに非道いことしたんだよ。
貴方を振って別の人の所へいったんだよ」
「それで、私は心の痛みを
知ることが出来たんだ。
だから、今の私があるんだよ。」
「そう、よかった…許してくれるんだね。」
「だから、怒ってないよ。
理佐は私の恩人だよ。」
「もう、その言葉でじゅうぶんだよ。
お店の女の子が心配そうに見てるよ。」
私が後ろを振り向くと“ねる”が店の中から
こちらの様子を伺っていた。
「恋人??」
「うん、もう1年になる。」
「今度は、上手くいけそうね。」
「ああ、頑張るよ。」
「じゃあ、元気でね。友梨奈。」
理佐はそう言って、
振り向いて歩いて行った。
「ありがとうございました!」
私は深々と頭を下げて
その後ろ姿を見送った。
理佐が涙を流していたことを
私は知らなかった・・・
・・・・・・・・・
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(渡邉理佐side)
友梨奈…
これで、私もケジメがつけれたよ。
貴方と別れて3年、
私はだれも好きになれなかった。
だから、菅井さんに連絡して
貴方の居場所を聞いたの。
貴方の立ち直った姿を見たら
きっと私も次に進めると思ったの。
今日は来て良かったよ。
友梨奈・・・
今でも私は貴方のこと大好きだよ。
私は永遠に貴方に片想いを通すよ。
だから時々でいいから、
私を思い出して欲しい
貴方のこと愛して本当に良かったよ。
幸せになってね・・・・
FIN

