天使の涙11 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

お昼休みがちかづくと、

 

「玲奈さん、お昼行こうよ。」

 

「ごめん、仕事が押してるの・・・」

 

私はモニターから目を離さずに言った。

 

「そう・・・わかった。」

 

モニターに映る友梨奈の後ろ姿が

哀しそうで胸が痛んだ。

 

そして仕事が終わると友梨奈が

話しかけてくる。

 

「今日は同期の山崎さんと

食事にいくんでしょ?」

 

「あ・・・うん、そうだよ。」

 

「帰ってきたら、電話欲しいの・・・」

 

友梨奈は不安げな顔をする。

 

「わかった、帰ったら電話するから・・・」

 

そう言って、私は職場を出た。

 

健人さんは外回りから

直接待ち合わせ場所に来ることになっていた。

 

待ち合わせ場所は

カジュアルなフランス料理店

 

私が先に到着して、

その10分後に健人さんは現れた。

 

「ごめん。お待たせ。」

 

「待ってないよ。」

 

「ありがとう。待たせた相手に

そう言ってもらえると、気が楽だよ」

 

健人さんは白い歯を見せる。

 

こうして、彼と食事をするなんて、

もうないと思っていたわ。

 

もともと嫌いで別れたんじゃいない。

 

ボタンの掛け違いでおかしくなっただけだ。

 

もう、完全に昔の感情を取り戻しつつあった。

 

「さあ、口コミでは

ここの料理は相当美味しいらしい

堪能しよう!」

 

「うん!」

 

こうして、私たちは昔話を交えながら

失った感情を取り戻していった。