だが、友梨奈は東京に到着した時、
さんざん理佐を振り回してきたのに
今更のこのこ会ってもいいのだろうかと
疑問が頭を過り
友梨奈は理佐の元には向かわず、
なんと友人の堂本幸一の
アパートへ向かっていた。
幸一のアパートに到着するとドアをノックする。
ドアが開いて幸一が顔を覗かした。
「え、友梨奈?どうした!帰ってきたのか?」
「うん、まあね・・・
でも、帰ってきたのはいいけど
行くところないんだよね。
しばらく泊めてよ!」
友梨奈はそう言って、
遠慮なく幸一の部屋に上がりこんだ。
「おい、お前の行くところはここじゃないだろ。」
部屋の真ん中で
座り込んでいる友梨奈の後ろに
幸一は立ちはだかりながら言った。
「だってさぁ…1年もほったらかしといて
この間会いに来てくれた時も、
気の利いた言葉一つもいえなかったんだ。
今更、どの顔を下げて
会いにいけるの・・・」
「はあ??お前らしくないな。
思ったまま行動したらいいだろ!」
「もう少し、時間が欲しいの。
だから、2~3日ここに泊めてよ!」
「ったく、しょうがないな!
2~3日だけだぞ!」
その言葉を聞いた友梨奈は立ち上がり
幸一の方を向いたのだ。
「ありがとう。幸一はほんと優しいね!」
こうして友梨奈は
幸一のアパートへ転がり込んだのだ。