TWO ROSES ~この世の果て~6 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

そして日曜日、珠理奈は玲奈の部屋で

 

トレーニングをしていた。

 

腕立て伏せを珠理奈が行い

 

その横で玲奈が本を読んでいる。

 

お互い集中しているために会話はないが

 

堅い絆で二人は

結ばれていることを再認識していた。

 

そして、珠理奈が休憩に入った時だった

 

玲奈の携帯が鳴った。

 

非通知だ・・・

 

玲奈は嫌な予感がしたのだ。

 

「もしもし・・」

 

玲奈は電話に出た。

 

「久しぶりだね。玲奈」

 

そう、この声は稲垣だった。

 

「先生・・・」

 

玲奈のこの一言で

 

電話の主が稲垣であることを

 

珠理奈は確信した。

 

珠理奈は玲奈を落ち着かせるために

 玲奈の右手を自分の両手で包み込んだ。

 

「もうすぐ会いに行くからね・・・」

 

稲垣は静かな口調で話している

 

「今、どこにいるのですか?」

 

「それは、秘密さ!一緒に

 行こうな・・この世の果てに

 そして、二人だけで静かに暮らそう・・」

 

電話は切れた。

 

珠理奈は急いで警官に知らせ、

 

通信記録から、

東京都内の公衆電話からだと

わかったのだ。

 

暫く厳重警戒がひかれ

 

玲奈は手厚く守られていた。

 

そして、一ヶ月が経過した。

 

以前稲垣は逮捕されていないが、

 

北海道のマンガ喫茶の防犯カメラに

稲垣が映っていたらしく、

捜査員は北海道にも派遣されたのだ。

 

そして、その影響で玲奈の家には通常2名、

学校では4名のガードがついていたが

双方1名体制となってしまったのだ。

 

そして、ある休日、珠理奈は

 道場へ用事があるので

出かけた帰り道だった。

 

道場の最寄りの駅の近くの繁華街に

さしかかった時だった

 

前方50メートル先に稲垣がいるではないか!

 

珠理奈は走って近くに駆け寄った。

 

あと10メートルぐらいで

稲垣は右手で制して、

左手でジャケットをめくってみせた。

 

なんと、爆弾らしきものを

巻いているではないか!

 

珠理奈は近寄るのを止めた。

 

「利口だね~~~

そう、これが爆発すると

僕も君もそして他の通行人も

死ぬことになるよ!」

 

稲垣は上着をもどして爆弾を隠した。

 

通行人は

珠理奈達には気にもとめていなかった。

 

「あんた、玲奈ちゃんを

どうするつもりなんだよ!」

 

珠理奈は両手に拳を作りながら言った。

 

「言っただろ・・・この世の果てに

 一緒に行くのさ・・・フフッフはははは!」

 

「あんた、狂ってるね・・」

 

「それはお互い様だろ?僕の赤いバラは

 僕がいただくよ!じゃあね!」

 

稲垣は振り向いて、再び上着をまくり上げ

 

爆弾をちらつかせ、追ってくれば

 

爆発させるぞと脅しているようだった。

 

珠理奈は急いで

警察に連絡を入れたが稲垣は

 捕まらなかった。