そしてその日の放課後
玲奈は珠理奈が着替えるまで
校庭の水飲み場で待っていた時だった・・
またしても、健太郎が現れたのだ。
「松井、まず俺と映画でもいかないか?」
玲奈は背を向けて立ち去ろうとしたが
またしても腕を捕まれ、そのまま校舎の壁に
体を押し付けられ
いわゆる、【壁ドン】状態にとなったのだ。
「なにするんですか・・」
玲奈は少し怯えた表情になった。
「頼むよ、俺にもチャンスくれよ。
一回でいいから、デートしくれないか?」
その瞬間だった、健太郎は激しい衝撃を
後頭部に感じたのだった。
「珠理奈・・・」
玲奈は叫んだ。
健太郎の後ろには珠理奈が立っていたのだ。
そう、健太郎が玲奈を押さえつけている
場面に遭遇した珠理奈が健太郎の後頭部を
もっていたカバンで殴りつけたのだ。
健太郎はほんの数秒、立ちくらみしたが
我に返り珠理奈を睨めつけた
「何しやがる・・またおまえか!」
「それは、こっちのセリフよ!
玲奈ちゃんが怯えてるだろ!
この野蛮人!」
健太郎はキレて珠理奈に詰め寄ろうと
した時だった
珠理奈はニヤっと笑みを浮かべた
「痛い~~~殴られた~~
痛い・・だれかきて!!」
珠理奈は
殴られてもいないのに大きな声で叫びだした。
すると、辺りからヤジ馬が集まってきた。
「なにもしてないぞ・・」
そう言って、健太郎は退散していった。
「玲奈ちゃん・・大丈夫?ごめんね
怖い思いさせて。」
玲奈は首を横に振った
「珠理奈があの人に殴られるんじゃ
ないか心配したよ。無茶しないでね」
珠理奈は笑いながら言い放つ
「大丈夫!
玲奈ちゃんを守るのが私の使命だからね!」
「私の為に珠理奈がケガでもしたら、
私は堪えれないよ。」
珠理奈は玲奈の肩を抱き
「大丈夫!私は不死身だから・・」
そう言って
珠理奈はいつも通りに部活にいき、
玲奈はそれを見守っているのであった。