今 君といられること―死神と呼ばれても―18 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

私は意を決して病室へ向かいドアを開けた。

 

すると、ベッドには頭に包帯を巻き

 

左のほっぺにガーゼを貼り付けている

痛々しい姿の友梨奈が目に入った。

 

「玲奈ちゃん・・・来てくれたの・・・」

 

友梨奈は痛そうに上半身を起こしたのだ。

 

「だめだよ。寝てなきゃ。」

 

私は友梨奈の傍にいき寝るように促した。

 

友梨奈は左横を向く体制で横になったのだ。

 

「ねえ・・・玲奈ちゃん・・

良介の容体はどうなの?

看護師さんは大丈夫しか言ってくれないの?

ケガの具合はどうなの??」

 

友梨奈は山田君が無事だと思い込んでいる・・・

 

どうしよう・・・・

 

なんてつたえたらいいのだろうか・・・

 

「玲奈ちゃん??どうしたの??」

 

友梨奈は

私の困惑した表情を察知したようだ。

 

「友梨奈・・・落ちついて聞いてね。

山田君は・・・亡くなったの・・・」

 

「え???」

 

友梨奈は狐に摘ままれたような表情になった。

 

「なに言ってるの??玲奈ちゃん!

悪い冗談はやめてよ!」

 

友梨奈はベッドから起き上がった。

 

「嘘でしょ??ねえ!玲奈ちゃん。嘘だよね。」

 

友梨奈は私の体を摘かみ揺さぶった。

 

「後頭部を強く撲って、脳内出血がひどくて

死亡したそうよ。」

 

私の顔を見てようやく友梨奈は

現実を受け止めたようだ。

 

「やだよ・・・そんなやだよ・・・

折角好きになれたのに

これから

いっぱい思い出作るつもりでいたのに・・・

うわぁぁああああ~~~」

 

友梨奈は大声で私にしがみついて泣いたのだ。

 

その声は友梨奈の絶望感が

私の体内に浸食してくるような

とても哀しいさけびだった・・・

 

その後

友梨奈は1日中泣いていたのだ。

 

大倉さんの時は不倫の末の自殺だったので

ある程度仕方がないと思っていたのであろう

泣き続けることはなかったが

山田君とは、

明るい未来を

ともに歩もうと思っていたのであろう。

 

それが故に悲しみが止まらなくなっている。

 

私はただ友梨奈の傍に居てあげることしか

出来なかった。