今 君といられること―死神と呼ばれても―6 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

その後、この山田君のお陰で

友梨奈は徐々に

クラスメイト達と昔の関係に戻りつつあった。

 

やがて、12月を向かえて変化が生じることに

海外出張中の友梨奈の父親から連絡が入り

冬休み前に帰国することになり

2月いっぱいは日本にいることになったので

友梨奈を帰宅させて欲しいとのこと。

 

友梨奈と暮らすのもあと2週間か・・・

 

そして、最近放課後に

私を待ってくれている友梨奈のもとに

山田君がいるようになった。

 

私はすでにわかっていた・・・

 

山田君も友梨奈のことが好きなことに・・・

 

私が図書室に出向くと,

山田君は

まだ勉強するからと

その場に残るのであった。

 

帰り道、私は友梨奈に探りを入れてみる。

 

「山田君は、対応がスマートでやさしいね。」

 

「え・・・うん・・・」

 

あれ?なにか友梨奈の歯切れがおかしい。

 

「どうしたの??なにかあったの?」

 

「山田君に

今度の土曜日に映画を誘われたの。

深い意味はないから

気分転換にって言われたの」

 

友梨奈は少し困った顔をした。

 

「深い意味はないって言ってるから

行ってきたらどお?

たまには同級生どおし

遊びに行った方が良いよ。」

 

本音は行かせたくない・・・

 

友梨奈に恋愛感情を

おそらく持っているであろう山田君と

映画になんか行かせたくない・・・

 

でも、友梨奈は私の教え子であって

恋人ではない。

 

それに今の友梨奈には

色々な人と交わることが大切だ。

 

なんせ、最愛の人を失っているのだから・・・

 

「玲奈ちゃんがそう云うなら行ってみようかな。」

 

「うん。そうしなよ。」

 

私は必死に笑顔を作ったのだ。