想像もしていなかった展開に
私はもう心が折れていた
「では、始めようか!」
大野さんがイスに座って、
オーディションを始めようとした。
「あの・・・私・・
具合が悪いんで、今回は辞退します。」
こんな精神状態で
演技なんてできないよ!
私の発言で、玲奈さんは
下唇を噛み辛そうな顔をなる。
「え・・・友梨奈大丈夫か?
なんなら、お前だけ明日にしようか?」
大野さんは気づかってくれたんだ。
「いえ・・・今回はパスします。」
私は稽古場のドアを開けて出ていった。
理佐理佐が心配そうにかけよってきた。
「ふざけてるわ!あの女、
どう言うつもりなんだろ。
いったいどうなってるの?」
「私が聞きたいぐらいだよ・・・
理佐はオーディション頑張ってね。」
「友梨奈・・・・」
心配する理佐を後目に見て
私は稽古場を後にした。