そして翌日から必ず授業中に1回は
友梨奈を指名して答えさせるようにして
私なりのコミュニケーションをとったのだ。
そして1週間が過ぎ、
学校帰りに駅でいつものごとく、
枯葉の木のそばにいる友梨奈をみつけた。
よし、今日こそ、話しかけよう
嫌われたっていいじゃん。
てか、もう嫌われてるし
よし、いくぞ
がんばれ!わたし!
「友梨奈帰らないの??」
「・・・ここにいたら、悪いですか?」
「あのさ!この間のお詫びに
パスタ奢るからこない?」
やはり無反応かぁ・・・
くるわけないよね。
「じゃあ、お詫びに私の家でDVD見ない?」
何がしたいのだ私は・・・
「カ・・カラオケいこうか??」
もう、やけくそだ~~~
すると友梨奈が下を向く。
「フフフ・・先生、声が上ずってるよ。」
え!!笑ったぞ!!確かに笑った。
私はその光景を見て
笑顔になってしまった。
「なにが可笑しいの・・・」
友梨奈は少し膨れた。
「ごめん。友梨奈の笑った顔を
初めて見たからうれしくなったの。」
友梨奈は意外な顔をした。
「先生・・ほんとうに変ってるね。
じゃあ、私、次の電車で帰るね。」
友梨奈は私とは反対側のホームへ
連絡通路を使って移動し
次の電車を来るのをまった。
私の方が先に電車がきたのだが
私はそれには乗らず
友梨奈が乗る電車を待ったのだ。
電車が通り過ぎて、
私がいるのを目にした
友梨奈は驚いていた。
私はどうしても
友梨奈を見送りたい
衝動にかられていたのだ。
そして、電車が到着し、
友梨奈は電車に乗り込んだ。
私は友梨奈から目をそらさなかった。
友梨奈もまた私の方を見ている。
電車が発車し、
私は友梨奈が見えなくなるまで見送った
彼女をもっと知りたいと
心から思えた学校の帰り道だった