外に出ると二人は車に乗り込む
玲奈が助手席に乗ると
珠理奈は車を発進させた。
「玲奈ちゃん、七瀬さんのことだけど
彼女の父親の西野孝弘を殺したのは
玲奈ちゃんなんでしょ?」
珠理奈は前を向きながら訊ねた。
「ええ・・・私が殺したの・・・
その為に七瀬とつき合ったの。
私は酷い人間よ。」
「そんなことはないよ。
残された七瀬さんを一人にしておけず
日本に残ったんでしょ?
玲奈ちゃんらしいや・・・
七瀬さんと会ったよ。
彼女、落ち込んで大変だったけど
私と玲奈ちゃんの過去を話したら
少し、元気を取り戻したよ。
玲奈ちゃんが去った後も
私がフォローするから心配しないでね。」
そこ言葉を聞いた玲奈は
運転している珠理奈を見た。
「ありがとう、珠理奈。
貴方にはいくら感謝しても足らないわ。」
「何言ってるの、私は玲奈ちゃんがいたから
刑事を続けていられるんだよ。
感謝してるのは私のほうだよ。」
珠理奈は運転しながら優しい笑みを浮かべた
「珠理奈・・・」
玲奈は珠理奈に対して
愛しい気持ちが溢れた。
するとそこに内藤から電話が入った。
玲奈は取り急ぎ今までの状況を報告した。
聞き終えた内藤が発言する。
「もう、止めて無駄のようだな・・・」
「心配しないで
珠理奈や友梨奈に救われた命だもの
やすやす殺されないから。」
「命運を祈るよ。良い報告をまっている。」
内藤からの電話が切れたときに
田原のビルに到着寸前だった