珠理奈は本人の希望で
常連客達には別れを告げないまま
店を去ることになったのだ・・
最終の金曜日、午後17時
珠理奈のバイトが終了する時間
を向かえた。
店内は疎らである。
「珠理奈、上がっていいぞ!」
「いえ・・今日は最後までいます」
「暇な店なんだから、
引越しの準備とかあるだろ?
いいから、帰りな!」
「はい・・・わかりました。」
珠理奈はエプロンを外し
仲居の近くに行きに挨拶をする。
「マスター・・ありがとうございました。
この1年間、楽しい毎日でした。
元気でいて下さいね。」
「おまえもな・・
また、いつでも帰ってこい、
すぐに雇ってやるからな!」
仲居は右手を差し出し、珠理奈と
握手した。
「はい!また、遊びに来ますね」
珠理奈はそう言って、店の外に出て行った。
仲居は見送ることもなく、
流しで食器を洗い出した
いつもと変らない仲居であった