そして、玲奈が帰った3分後に
珠理奈が店にもどってきたのだ。
仲居は心臓が止まるほど
ビックリしたのだ。
「どうしたんですか?
そんなにビックリして!」
珠理奈が不思議そうに尋ねた。
「いや・・なんでもない・・
どうしたんだ?」
「忘れ物です!
玲奈ちゃんに貰った
ペンダントを外して置いておいたんです。」
珠理奈は更衣室のロッカーから
ペンダントを取り出した。
「あったあった。
それじゃあ!マスター」
珠理奈は何かを感じ取ったのだ。
「どうした?」
「いや・・気のせいですけど・・
玲奈ちゃんの匂いがしたんですよ!
私も女々しいな・・・」
珠理奈は舌を出してバツの悪い顔をした。
「気をつけてかえれよ!」
仲居はわざとその話を受け流したのだ。
珠理奈が帰った後に
この奇妙なすれ違いを
仲居はどう受け止めたらいいのか
考えていたのだ。
(もう、再会してもいいのもしれないなあ。)
仲居は表に出て空をみやげ
そう思ったのだ。
くっきりと見える星達が
珠理奈の幸せを一緒に
祈ってくれている。
仲居はそんな気になっていたのであった。