突然現れた珠理奈を見て
私は彼女に訊ねる
「なんでここにいるの??」
「それはこっちのセリフだよ。」
珠理奈が返す。
「私は昔が懐かしくてここに来たの。」
「私もよ!」
「でも・・・珠理奈、
元気なんだね!よかった!」
なんせ、手術後珠理奈とは
一回も顔を合わせていなかったので
私は涙が自然と溢れ出てきた
「玲奈・・・
ごめんね。玲奈に八つ当たりして。
本当は、私から会いに行って
謝罪しなければいけないのに
勇気がなかったんだ。
本当にごめんなさい。」
珠理奈はいきなり頭を下げた。
「やめてよ!
私が珠理奈を裏切ったんだから
あなたの夢を壊したんだもの」
私は涙を拭いながら言った。
「玲奈があの時監督に
言ってくれなかったら、
私は本当に死んでいたかもしれない。
だから、玲奈は命の恩人だよ」
「そんなことないよ。でも、
珠理奈が許してくれていたなんて・・・
うれしい。今、どうしてるの。」
「私はシューズメーカーに勤務しながら
社会人の陸上部に所属しているんだ。
また、マラソンを始めたんだよ。
今、社会人のマラソン大会で
優勝することが私の夢なんだ。
玲奈のおかげで夢を
追い続けることができたんだよ。
本当にありがとう。
あの時私を止めてくれて」
「珠理奈が努力しているからだよ。
私なんて,関係ないよ。
でも、ありがとう。許してくれて。」
そして、私達は暫く
社会人になってからのことを話した。
やっぱり珠理奈といると楽しいよ。
この偶然に感謝しないと。