珠理奈は頬を押さえながら
歩いて駅に向かっていた。
玲奈の涙を流した哀しげな表情が
脳裏に浮かんで消えずにいたのだった。
いままで、女性を
振ってきたことは数知れず、
そのときはまったく気にすることもなく
平然といられたのに、
今回だけは罪悪感が溢れ出て来る。
(なんなのこの感覚は・・・
なんで、私はこんなに辛いの??)
珠理奈はそんなことを忘れるために
もう一人の恋人・西野七瀬のマンションに
転がり込んでいた。
「珠理奈から、私のマンションに来るなんて
珍しいじゃない?どうしたの?」
七瀬がイスに座っている珠理奈に
コーヒーを差し出した。
すると、珠理奈は七瀬の腕をつかみ
そのまま床に押し倒したのだ。