警察署を出て歩きながら私は訊ねた。
「ねえ、玲奈ちゃんと
松村さんはどんな知り合いなの?」
「会ったのは今日が初めてだよ。
簡単に言うとライン友達かな?」
「どこで知り合ったの?」
「SNSだよ」
「SNS?」
「そう、松村さんが死にたがっていたんで
話を聞いてあげてたの。
一人で死ぬ勇気がないから
見届けて欲しいって頼まれたから、
私は見ていたの。
だから、珠理奈にも見送ってもらいたかったから
飛鳥の時と同じように珠理奈を
あの現場に呼び出したんだよ」
玲奈ちゃんが発言し終わると
丁度横断報道の信号が赤に変わり
私達は立ち止まる。
「もう、私には理解不能だよ。」
「うん、分かってる。
珠理奈には理解して貰えないと思うよ。」
「無理だよ・・・私は玲奈ちゃんには
ついて行けないよ。」
するとその言葉を聞いた
玲奈ちゃんの表情が始めて崩れた。
「そうだよね・・・
ごめん、巻き込んで。」
玲奈ちゃんは下唇を噛んで
目に涙を溜めていた。
「玲奈ちゃん・・・」
「私達別れましょう。
私といると珠理奈はおかしくなるよ。
今までありがとう。楽しかったよ。」
信号が青に変わり玲奈ちゃんは歩き出した。
だが、私はその場から動かなかった。
そう、もう玲奈ちゃんとは
やって行けないと思い
歩みを止めることで彼女からの
別れ話に同意したんだ。
玲奈ちゃんから
得体の知れぬ恐怖をかんじていた私は
別れて悲しい気持ちよりも
安堵の方が大きかったんだ。
こうして、私と玲奈ちゃんは
あっけなく別れることになった。