2月9日
玲奈は基本、仕事を終えた後、
一週間は珠理奈と会わないようにしている。
血で染まった手で
珠理奈を抱きしめたくないからである。
今回も何時ものように
取材旅行と言っており
玲奈は都内のホテルに泊まっていた。
そして、今日自宅に舞い戻って来たのだ
(やっぱり、自宅は落ち着くわね)
玲奈はソファーに座って伸びをした。
夜の21時を回った時だった・・・
チャイムが鳴ったので玲奈はドアを開ける。
珠理奈がやってきたのだ。
「お酒のお摘まみとか買ってきたよ!」
「ありがとう!さあ、入って!」
玲奈は珠理奈が買ってきたものを
見ながら奥へ歩いていた。
「チーズちくわに野菜ステックもあるのね。
私の好きな物ばかりだわ!」
玲奈がそう言うと珠理奈が後ろから抱きしめた。
そして、目をつぶり背中に頬づりをする。
「どこにも行かないで!
ずーと私の傍に居て!!」
「当り前よ、約束したでしょ!
もう、珠理奈の前から姿を消さないから
安心して!」
「うん・・・」
「ちょっと、痛いわよ!力、入れすぎ!」
「だって、好きなんだもん!」
甘えた声を出す珠理奈であった。
「ありがとう、私もよ!さあ、飲もう!」
二人は玲奈の寝室で小さなテーブルを出し
そこで飲み食いしていた。