ボディビルやフィジークといった、『体型を変える』ことを要求される競技を行う人にとって、陥りやすい状況、「罠」と言っても良い事柄があります。

 

それは、「数字に拘る」ということです。例えば、何キロのバーベルを持ち上げることが出来るか、体重が何キロ増えたか、或いは減ったか、といったハナシです。

 

これは、トレーニングをする上で、「重量は関係無い」という意味ではありません。筋量・筋断面積は挙上重量に比例するので、常に「前回よりも良い記録を狙う!」という気持ちは持っていなければなりません。

 

ただ、それは「前回と同様のフォームで行って、同様の負荷のかけ方が出来ている」ことが前提となります。例えば、アームカールなどで1レップ目から反動を使ってチーティングで挙上している場合、前回よりもウェイト自体は大幅に重くなっていたとしても、実際に筋肉にかかる負荷はほとんど変化していないでしょう。

 

また、体重に関しても、「1ヶ月で10kg痩せる!」などと奇跡のようなダイエット法を紹介する広告が見受けられますが、その場合は殆どが筋肉量の減少で、体脂肪は望むほどには減ることはありません。

 

トレーニングで扱う重量を極端に増やしたり、ダイエットで短期間に大きく体重が減ったりすると、「俺、TUEEEEEEE!」的なカンジでテンション上がるかも知れませんが、実際には(まやかしの)成功体験に依存している状態です。しかも、自分自身では自覚できていない場合が殆どです。

 

トレーニングは以前の自分との戦い。勝負事というのは、冷静さを失った状態では、勝利は望めません。『勝って驕らず、負けて腐らず』の精神ですね。