自分への、少し早めのクリスマスプレゼントとして購入を決意しました。
2万円超えてましたが、元は3万円近いものですし、最高クラスの名作なのでコスパ良しです。
古川日出男さん現代語訳の『平家物語』を原作とした、アニメーション作品です。
原作の『平家物語』自体が史実から改変されてる部分や、ファンタジックな部分があり、そのまま引き継いでます。
主に、アニメで主人公びわの面倒を見てくれる、平重盛が超善人になってるあたりですね。
ホントは清盛に負けず劣らず、なんかいろいろやってたそうです。
しかしこの作品で、これまで悪役としか捉えられていなかった平家が、親戚ぐらい身近に感じられるようになりました。
清盛がいなければ、小さい頃から多分2回は行ってる、厳島神社はありません。
福原つまり神戸もいまのような大都市になってません。一度は神戸が日本の首都だったなんて知りませんでした。
作品全体について言えば、平家をそばで見てきた人たちの象徴として、主人公びわを登場させていることが素晴らしいです。
重い作品は苦手ですが、『平家物語』は言わば第三者的立場で主人公と視聴者が見ている形なので、重く感じません。
そして、あの語りが素晴らしく、強烈なアクセントになってます。
Blu-ray box にはその語りのみ収録したCDが付属しており、ウォークマンに入れて聴いてます。
もとの音源がかなり良いらしく、すごくいい音で鳴ってます。
そのほかのおまけ要素は、少し期待外れな部分がありました。
すなわち「オーディオコメンタリー」です。
はじめの1話、2話、あと最後の10話、11話だけでした。
内容も、山田監督と音楽の人とかがしゃべってるんですが、いま画面に映ってる画じゃなくて、仕事の話をされてました。
ここを描いた誰々の仕事ぶりがどうだとか…
ちょっと、オーディオコメンタリー下手だなーという感じですね。
ここはこういう効果を狙ったとか、ここはこういう事情で原作と変わってるとか、ここは原作自体が史実と違ってるとか、なんかそういうのが欲しかったんですが。
まだ、10話からの琵琶奏者の方のほうが、そういう裏話をされてました。
(追記 11話のオーディオコメンタリーはいろいろと面白い内容がありました。)
でも、アニメ開始前の番組と、そこで使われてたインタビューが全部入ってたのは評価点でしょうか。
そのインタビューを見ても、山田監督は仕事人というか、あまり視聴者が喜ぶ話とかは、意識してするのが難しいという感じですね。
いや、意識しないと難しいのかな。他の作品のオーディオコメンタリーは、居酒屋トークみたいになっても、視聴者が喜ぶ話になってますからね。
山田監督は、根が真面目なんだと思います。
それまでの作風からして、もうちょっとフワッとした人だと思ってました。
色々ひとりで抱え込みそうな性格に見えるので、ちょっと心配だったり…
あと、映像特典以外では、100ページのブックレットが着いており、内容のまとめ方もキレイで、びわの語りの歌詞もあり、必見となってます。
そして、ディスクが入ってる部分を広げると、キャラクターが描かれた、金の屏風(びょうぶ)になっており、箱は結婚式の引出物のよう。
まとめると、very good です。
フジテレビよ、制作委員会よ、何故11話にした!
個人的に2クールは欲しかったです。
そういえば、海外で
「なぜ清盛は後白河法皇を殺さないんだ」
と話題になってたらしいですが、天皇だった人を殺すことがどういうことか、解りにくいでしょうね。
国全体の逆賊になってしまいますね。ボク的にはそういう理解です。
日本は先進国で唯一、国家が国家元首の先祖をさかのぼると、神まで繋がってると認めてる(否定していない?)不思議な国です。
うーむ、ちょっと同じサイエンスsaru制作で、古川日出男原作の『犬王』が欲しくなってきましたが、少し後になりそうです。
YouTube で主題歌「光るとき」の2番と3番まで入った完全バージョン聴いたら、なんか感動して、買ってしまいました。
最終回のストーリーは初めから決まっていたとしても、今だけはここにあるよ
とかぐっときます。
3番最後の辺りも、自分がつらかったりすると、重ねてしまいますね。
でも、平家みたいに絶対絶命じゃないですからね。
いつでも会社辞めようと思ったら辞めれます。
うつ病になるとその辺が飛んでしまうみたいですけど。
会社の評価が人としての価値じゃないこともよく知ってます。
その辺は、心理学に出会ったことに感謝です。
(心理学に関しては、古い記事参照)