和歌山の水道橋はなんで落ちたのか | ボクとその周辺

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あと、日常のこととか、気が向いたら心理学関連も書くかもです。

ホントにあれ、なんで落ちたんでしょう。

ちょっと知識のある人が、ニュースにコメントしてましたが、間違いなさそうなものはありませんでした。



そこで、ボクも少し原因を考えてみます。


読売新聞のデジタル版にこんな記事がありました。


橋が落ちる瞬間の連続写真です。
(追記 YouTubeに動画がいっぱい上がってました)


見ると、真ん中から、つまり重心から、キレイに落ちてます。
水道管を繋いでるボルトが、途中で寸断されたのではありません。

ボクが思うに、下の水道管部分は崩落の直接の原因ではありませんね。

最初の写真を見ると、橋の真ん中がたわんでますが、その他にも変化してるところがあります。
橋を支えてるアーチが崩れてきてます。
頂点の少し右辺りが特に歪んでるように見えるので、そこでまず何か起こって、アーチの力の均衡が崩れたのかも知れません。

で、アーチの支えが無くなった上、アーチの重さまで受けた下の部分の重心に荷重が集中したわけですね。

そして水が噴き出してた端の部分が引っ張られて、ボルトが切れてしまったわけです。

この推測が正しければ、端っこの水が出てたところのボルトは、スパッと切れずに、若干延びて、ブチッといってると思います。


あと、アーチ部分がなぜ壊れたかですね。

アーチ部分も強い力で引っ張られて切れたということは、まず考えられません。

疲労系の破断だと思います。


疲労破壊というのは、その部品が壊れるよりも、もっと小さな力で壊れる現象です。

これには大きく分けて二種類あります。

ひとつは、小さな力を長い間かけ続けることで、あるとき突然クニャリと延びて切れてしまう〈クリープ〉破壊です。
もうひとつは、小さな力を繰り返しかけると、ゆっくり亀裂が進み、最後に一気に割れるように壊れる、通常の〈疲労〉破壊です。

まあ普通に考えて後者ですね。
〈クリープ〉が起こるのは、常に遠心力がかかるような、発電所のタービンとかです。


〈疲労〉による破壊は、小さな割れ目や溶接した部分みたいな組織が変わってるところとか、何かしらのきっかけから始まります。

そんな部分いくらでもあるので、問題はなんであそこだけ壊れたかですよね。


考えられるのは、防錆の塗装がとれてしまって、溶接部やリベット部に水が入って腐食、って感じでしょうか。

建築は余り知りませんが、アーチって1ヵ所割れたら、全ての力の均衡が崩れると思うので。


あと、少し前に耐震工事をしたって言ってたので、たくさん色々取り付けて、変な力がかかったとか。


まあ全然判りませんが、アーチから崩れたのは確かだと思います。

因みに、もしかしたら、どこで壊れてもおかしくない状況かも知れないので、水道橋の壊れた部分を直すのではなく、横の橋に仮の水道管を通した方が賢明だと思います。



10/6 追記

(c)Google

塗装がとれてきてますし、ボルトで留めてるところがかなり腐食してます。

別の金属があって、水があったら電池のようになって錆びてしまいます。

さらにはまっすぐなパイプをつなぎ合わせてアーチを作ってるので、繋ぎ目、つまり疲労破壊のきっかけがいっぱいあります。

なんか、塗装をぬったりするメンテナンスが足りてないのはもちろん、設計ミスに近い感じですね。


10/7 追記


朝日新聞様のサイトより


異常な腐食とか書かれてますが、異常でも何でもないです。

金属のパイプの上にカバーみたいに別の金属を被せたら、間に水が入って〈局部電池〉の完成です。
多分カバーみたいになってる内側はボロボロになってます。

因みに、家の近くの公園では、鉄材で作った部分に樹脂でカバーしてケガしないように考えた遊具がありますが、樹脂の内側に水が入り込んだらしく、ボルトとの繋ぎ目が腐食して使用禁止になってます。


ついでに言うと、同じ鉄材でも、微妙に溶け込んでいる物質の種類や量は違うので、必ず〈局部電池〉になり得ます。

この橋の主な釣り材と、挟んでる部品は、共に鉄材でしょうけど、かなり違った材料だと思います。
だいぶ腐食が激しいです。