ここでかなりの時間を割いて、一方通行の能力の科学的な説明をやってましたが、言葉を失いました。
「空想科学読本」、いろんなアニメや映画のあるシーンについての科学考証みたいなのを集めてる本なのですが、これを書いてる人です。
そう、「設定」は読んでないんです。
「あるシーン」についてだけなのです。
以前に、この本を立ち読みしてると、『ドラえもん』の「タケコプター」について書いてました。
一応書いとくと、30cmぐらい(の長さの小さなプロペラが支柱の上に付いてる、ドラえもんの超有名な秘密道具です。
その支柱の基部を頭の上につけると、プロペラが回転して、自由に空を飛ぶことができます。
彼は、
タケコプターはプロペラがひとつあるだけなので、これが回転すると自分が回転してしまう、
また、この回転翼で揚力を得ようとすると、もの凄い回転になって、なおかつタケコプターと頭の間に大きな力が必要で、タケコプターだけが外れて飛んでいくか、頭の皮が剥がれてしまう。
と言うのです。
えーっと、それはヘリコプターのプロペラと同じようにあのプロペラ部分で揚力を得ようとした場合のみのことを言ってるように思うのですが…
それに頭の上のプロペラが回転して、自分が回転してないってことは、タケコプター自体に身体が引っ張り上げられてないってことだと思いますがねー。
で、下向きに重力がかかってるのに飛べる理由を考えると、大きくふたつしかありません。
重力が無くなってる(制御されてる)か、重力と逆向きの力が上方向に身体を押し上げてるかです。
後者は『ガンダム』宇宙世紀シリーズの〈ミノフスキークラフト〉系技術と同じです。
ミノフスキー粒子は、ある条件で地上から立体格子状の場を形成し、その上に載る形で大きな戦艦も空が飛べます。
ただ、膨大な電力が必要で、モビルスーツが飛べるのは、『初代』の宇宙世紀0079年から約70年経った、0150年以降の『V』だけです。
ドラえもん恐るべしです。
あと、『マトリックス』についても言ってました。
あの世界観では、ボクらが現実だと思ってるこの世界こそがコンピュータプログラムによる電脳空間です。
そして現実世界からこの世界に出現するとき、電話ボックスから現れます。
そしてそのとき、そこにあった空気が、身体の体積分だけ押しのけられるので、もの凄い衝撃波が発生するはずなんだとか…
あのー、電脳空間の中なんですが…
いわばゲームの中で、瞬間移動魔法とか使ったのと同じなんですが…
そして、昨日の『一方通行』についてですが、能力によってビルの根本部分をへし折って、投げつけるというシーンです。
60m × 27m × 27m ぐらいの大きさで、投げてる速度が時速 100km ぐらいなんだとか。
ビルの大きさから重さというか質量を割り出して、それと投げてる早さから、運動エネルギーを
1/2 × 質量 × 速さ× 速さ
で計算すると、かなり大きなエネルギーになるそうです。
そしてこれだけのエネルギーは一方通行の身体の脂肪の中には無さそうなので、地球の自転の運動エネルギーからエネルギーを取り出しているのではないか、とのことでした。
…一方通行の能力、解ってますか……
「触れたもののベクトルの、方向と大きさの変化」
って感じじゃありませんでしたっけ。
最初出てきたとき、いろんなシーンを見ながらベクトルの説明でもしてくれるのかと思ってました。
監督と声優さんも「反射」が能力みたいなこと言ってましたし。確かに普段はオートで反射にしてるようですが。
ベクトルは「大きさと方向があるもの」という、様々な物理現象を考えやすくするための概念です。
「大きさ」と「方向」がある現象は、一方通行はそのどちらも自由に変えられるのです。
エネルギー保存則は、彼の前では成立しません。
あのシーンはビルの速度を自分に対してゼロから、急激に時速 100km 程度まで変化させてます。
多分重力分も打ち消した上で。
あと彼が最強たる理由はベクトルが「概念」であることです。
一方通行がその演算能力で前提条件を精密に定義することによって、神の如く世界を動かせるということです。
『とある魔術Ⅲ』では、暗黒物質が一帯を、一方通行が前提としている、現代科学による物理空間から別のものに変えましたが、暗黒物質が存在する物理空間を前提として演算し直してました。
彼の能力に限度が無いならば、地球の外に足場があれば地球をも動かせるのです。
柳田理科男とか、原作をないがしろにするくせに、姫路の隣の福崎町出身の偉人の名前をもじるのは、やめて欲しいですね。
柳田国男って遠野周辺の口伝で伝わってた昔話を原作(?)を忠実に本にまとめた人なのに。
河童に沈められますよ。