アスペルガーは誰だ? 3
そのあと、僕は溜まったモヤモヤのはけ口を見つけるため、とりあえず自分のバンドの相棒ドラマーに電話した。相棒ドラマーはあのライブの日、コンビニで雑談した現場にいて、その後輩君にたいへん良い印象をもっていた。
相棒ドラマー 「…そ、そうですか!まったく、人間不信になりますね
~!あの子にそんなところあるなんて信じられない。
木原さんのこと慕って(したって)たじゃないですか!
バンドもキックもリスペクトしてて…!」
俺 「…やろ? しかも8歳上の先輩にあの態度180度転換
は何なんだろうね!」
相棒ドラマー 「…もう、あんまり若いヤツ、信用したらあきませんね
~!」
俺 「…えらい目にあうわ~!」
電話ではこのようなやり取りが続いた…。
そして後日、相棒ドラマーと会う機会があった。そうこうすると例の一件に話が流れた。
相棒ドラマー 「…しかし、信じられませんねぇ~。僕もショックです。
何を信用したらいいのか! …。人違いじゃないで
すよね~?」
俺 「…人違い? それはないと思うけど…。」
相棒ドラマー 「ドラムで生計建ててるっていってたじゃないですか!
僕、他にそういう人知ってるんですけど。たしかその
人の名前も「森君」 だったような…。はっきり覚
えてないですけど…。」
俺 「だからその子が森君なんだよ!」
相棒ドラマー 「いや、また別にいるんですよ。 そのひとも、いろんな
バンドに雇われてギャラもらったり、生徒集めて教室
開いたりして。 多分、その名前~、森さんとか言っ
てたような…。ギタリストの猪上君、電話番号、間違
えてないですか?」
俺 「ん~。 この狭い和歌山、ドラムで生計建てる
森さん、何人もいない!ほな、その人の顔や。
この間のコンビニの兄ちゃんとは
違ったりせーへんわなぁ~!」
相棒ドラマー 「違います。 僕の言う森さんはあのコンビニの兄ち
ゃんではないです!!」
俺 「…君、それ早よ言うてくれよ! それやったら話わか
る。 辻褄(つじつま)合う。 そら、訳の分からん人間
からいきなり電話で自己紹介されてキックやの、メタ
ルやの言われても「はぁ~?」なるわ~。まだ最後に
訳も分からず「ありがとうございます!」って言うてくれ
たんで彼、「いい人!」やで! これ完全に猪上くん、
人、間違えてるわ!!」
相棒ドラマー 「…まだ、分からんっすよ~!」
俺 「いや、けっこう満更(まんざら)でもない。 俺、明日
一回、猪上君に、聞いてみるわ~!」
ということで、ようやく暗闇から薄日が差し、黒雲が掃けてきた。
二人で用事を済ませたあと相棒ドラマーは
「…明日、結果聞かしてくださいよ。 僕も気になるんで…。
このままじゃ、人、信じなくなる!」
と念を押した!!!
つづく