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Apollo-12

広告とか、コミュニケーションとか。
社会貢献とか、社会起業とか。
まちづくりとか、コミュニティデザインとか。
そうしたものたちの、少し先とか横の話。

今回更新するテーマは、「今年の抱負」について。

▽なんで今さら、今年の抱負?

ほんとなんで今更って感じなんですが...(笑)

僕が所属している大学のゼミの取り組みで、1月の年初めに
「二年間で得たもの」というタイトルで、
新しく入ってくる2年生に向けてのブログに執筆をしてまして。。

書きだめして更新する形式だったため、最近ようやくそのブログで僕の記事が公開されたようです。
(次の項目のあたまにURL貼っつけます。)

年の初めに、「これまで」の2年間を振り返るちょうどいい機会をいただきました。
と、それと同時に、年の初めは「これから」を見据えるいい機会。

なので、公開に合わせて、
「これまで」だけでなく「これから」のことも書きたいなぁと思ってて。


抱負を書き記す事自体、そりゃ単なる自己満なわけですし、
「これから」に関する思考は年の初めに済んではいるのですが、

見返すかもしれないいつかの自分のために、ここに吐き出したいなと思います。

なんで特に面白い話でもない気がするので、
つまらなそうだったらすみやかに「タブを閉じる」をクリックしてください。。



▽これまでのこと

以下が、そのゼミ生用のブログです。
http://ameblo.jp/takahashi-ikuo12/entry-11130997618.html

読み手は大学2年生なので、割とおちゃらけた文体にしました。

今読み返してみて、なんかうざいな。。
駄文も多くてすいません。

この話を踏まえた上で、「これから」についてざっくり書きたいと思います。



▽これからのこと

上記のゼミ生用のブログでは、

目先の課題を木々に。成し遂げたい目標を月に。
高座から全体を見渡す視点を森に。自分のエネルギー源を太陽に。

それぞれ比喩表現を用いて喩えましたが、
せっかくなのでその延長線上で話を続けたいと思います。


これから(というか今年)の目標は、主に3つ。

1. 木の葉を見る
2. 星を見渡す
3. ロケットを見つける


にしようと思っています。


1. 木の葉を見る

春から、広告の仕事に携わります。(あともう3週間か...)

なぜ広告なのかという話はだいぶ前にブログでも書いたのでもうしませんが、
ひとえに実力をつけたいです。


喜ばせたい人を、きちんと喜ばすための実力です。


特にこのブログでは自分が関わりたい社会問題についても多少なり言及してきましたが、

それと広告のお仕事が全く違うとも思ってませんし、
やりたいことをやり遂げられるだけの実力が自分に備わっていないことも明白な事実です。

いやになるくらい、それはもう事実すぎるくらいの事実です。
なので、徹底的に修行が必要だと思っています。


広告の仕事といっても内容は様々ですが、講じる手段はどうであれ、

たくさんたくさん考え抜いたアイデアとその実現力で、
クライアントや生活者、仲間を喜ばせる仕事だと思います。

つまり、喜ばせたい人を、きちんと喜ばす仕事だと思います。


そうした仕事を成し遂げられるだけの実力がつけば、
自分が喜ばせたい人にだって応用が効くはずだと考えてます。

そしてそれは、会社の中にいたってできること。
いや、会社の中だからこそできることの方が多いかも。


だから、新社会人としてやりたいのは、

月の位置を見失わずに、目先の木々の、
さらに木の葉の葉脈がみえるくらいに、丁寧に真摯に向き合うこと。

足下をみるというか、基本に立ち返るどころか基本すら知らないというか。
当たり前っちゃ当たり前なんだろうけど、それすらできなきゃお話にならない。


それともうひとつ、細部にこだわるという意味合いももたせています。

「有り難う」を言うことひとつとっても、
声のトーンや声色は、姿勢は、目の色は、表情は、タイミングは、手の位置はどんなものがいいのか。
そもそも、そのまま言葉で伝えるのが最善なのか、別の方法があるのか、あるとすれば何か。


自分が何か大きなものを企画する時にありがちなのが「細部を怠る」ことなんですが、
細部にこだわりがないなんて考えが甘い証拠ですよね。

「細部にこそ想いが宿る」精神で、
丁寧に丁寧に人との関わり方を考えられる人になりたいです。


2. 星を見渡す

これまで月の位置にこだわりすぎて、自分は幅の狭い人間な気がしてます。。

世の中はもっともっと、自分の知っている以上に面白いことで満ち満ちていると思います。
自分とは比べ物にならないくらい、面白いことに気づいている人はたくさんいると思います。

月の周りには、綺麗な星がたくさん散りばめられているんだと思います。


月にこだわることが悪いことだとは思いませんが、

自分の視界が狭くなるほど、周りの星は見えづらくなってしまいます。
月の明かりが強くなれば強くなるほど、周りの星は見えづらくなってしまいます。

理想は、満月と満天の星を両立させること。


僕が慕うあるお方にいただいた、金言があります。

「everythingについてsomethingを、somethingについてeverythingを語れる人になれ」


もっと自分の知見や経験を豊かにするためにも、
色々な人とのコミュニケーションがより活発になるためにも、

まずは数々の綺麗な星に、気づける人になりたいです。


3. ロケットを見つける

これは今年というか、きっと永遠の目標です。

例えばたどり着きたい月があるのだとして、
だとしたら、いずれはロケットに乗るくらいの跳躍がないと一生たどり着けないわけで。


ロケットはまだ、どういうものなのかはっきりとしていません。


森の中にぽつんと落ちているのかもしれませんし、

森のいたるところにある材料を組み合わせてつくるものなのかもしれませんし、

月まで届く木が一本だけ生えているかもしれませんし、

丘になっていて気がついたらたどり着くのかもしれませんし、

そもそも宇宙船地球号のように大地はロケットの一部で、すでに乗っているのかもしれません。


今週のHUNTER×HUNTERでジンも言ってましたが、
許可・手段・資格・契約のどれも持ってない気もします。笑

(すいません、いきなりジャンプネタぶっこんで。笑)


いずれにしても、目標となる月の位置は見失わない。
きちんとたどり着くための手段を考え、常にアップデートしていかなきゃ。


今回、学生生活が終わる前にと再開したブログ執筆活動ですが、

これがロケットを見つける幾分かのヒントにできれば、と思います。





...できっかなー。


thank you ^^.
よく書籍でありそうなタイトルにしてみました。笑


目の前に途方もない困難がある時。
立ち直るのも難しい挫折を経験した時。
自分ではどうしようもない不運な境遇に恵まれた時。

なぜ、「乗り越えられる人」と「屈して諦めてしまう人」がいるのだろう?
なぜ、ぼくは/わたしは後者なのだろう?


こんな疑問を、一度は思ったことがあるのではないでしょうか。

そんな特別なことでなくても、大丈夫。
誰もが身に覚えがあるように、小学校では得意だった「算数」が、中学に入って「数学」へと変貌を遂げた途端、成績が落ちる子とそうでない子に分かれるのを目撃したのではないでしょうか。


もし、あなたが『レジリエンス』という能力を高めることができれば、
そうした困難を楽しみ、乗り越えられるようになるかもしれません。
数学の成績だって、伸びたかもしれないのです。



今回のテーマは、『レジリエンス』という研究領域について書いてみます。
聞き覚えのあまりない言葉ですが、一言でいえば"不幸にならないための能力"みたいなもんです。

この能力は、なぜ困難を乗り越えられる力を与えるのか。
この能力は、具体的にどういったものなのか。
この能力は、何か良い方向へ応用できないのか。

こういったことについて考えていきたいと思います。



レジリエンスー困難を乗り越える『しなやかさ』

僕の友人が、とある疑問から研究を行っていました。

それは、
「トラウマ経験がある人のうち、感じる幸福度に差異が生じるのはなぜなのか?」
というものです。

彼は自治体が実施しているアンケートから、1000人を超える住民の"トラウマ経験の回数”と"幸福度"を計測し、
それに対してどんな質問項目(要因)が幸福度に影響を与えているかを研究しました。

その結果、
「困難に直面した際に、楽観的にとらえ対処できる」
といった質問項目に対して高得点をつけていたサンプルほど、

トラウマ経験の回数に対して幸福度の低減率が小さいことが明らかになりました。


それらの質問項目は、概念としては『レジリエンス』と呼ばれます。
つまり、レジリエンスが高いほど「不幸になりにくい」という結果が出ていたのです。


レジリエンスは、学術的には様々に議論がなされていますが、共通の定義はありません。

レジリエンスの概念を初めに示したRutter(1985)は、「深刻な危険性にもかかわらず、適応的な機能を維持しようとする現象」と定義していますし、Mastenら(1990)は「困難で脅威的な状況にもかかわらず、うまく適応する過程・能力・結果」としています。
日本では、森ら(2002)がレジリエンスについて「逆境に耐え、試練を克服し、感情的・認知的・社会的に健康な精神活動を維持するのに不可欠な心理特性」とし、「生きる力」の構成要因の一つだとしています。

ここではただのブログなので、もっと一般的な言い方で「困難に打ち勝つ力」「挫折から回復・復元する力」などと定義しておきます。
より洗練された日本語を求めるのであれば、「しなやかさ」という言葉がぴったりだとされています。



レジリエンスの構成要因あれこれ

「ざっくりとした定義はわかったけど、具体的な尺度とか構成要因はどうなってんのさ。」

そんなちょっぴりキツメなあなたの疑問にお答えするために、もう少し詳しく調べてみました。笑
(ここはちょっと小難しいパートになるので、「なにこれうざくね?」という方は読みとばして大丈夫です)


森ら(2002)が挙げる、4つの心理特性

・「I AM」:本当の自分を知る力
自分自身の良いところも悪いところもひっくるめて、自分自身を受け入れていく力。
これが高いと「他の誰かと比べたりせず、自分の悪いところを単に"改善すべき点"と捉えられる」が、
これが低いと「他者比較によって自己評価をし、そのことで自分の短所を浮き彫りにさせ自己評価を下げる傾向がある」ようです。

・「I HAVE」:信頼できるネットワークを築くの力
他者との信頼関係を築き、学びのネットワークを広げていく力。
これが高いと「他者を信頼してサポートを求める」が、
これが低いと「自分で解決しようとする傾向が強い」そうです。

・「I CAN」:困難に打ち克つ力
問題を見極め行動で解決していく、問題解決能力。
これが高いと「困難に直面した際に、楽観的に捉えたり視点や発想の転換をしたりすることによって解決の糸口を見出し、困難を乗り越える」が、
これが低いと「困難に直面した際に自分で解決しようという思いが強く、課題を乗り越えるのに時間がかかったり、新しい視座が得られず一人悩んだりしてしまう可能性が強い」そうです。

・「I WILL」:未来を見据える力
自分自身で目標を定め、そこに向かって伸びていく力。
これが高いと「自分が今まで努力し目標を達成してきた経験が自信となって、自己効力感を高め、さらなる目標に向けて努力しようとする」が、
これが低いと「他者の優れているところに対しては自己卑下したり嫉妬したりする傾向があり、努力の意思はあるが継続が難しい傾向が強い」そうです。

彼は自身の研究において、レジリエンスの高い大学生は自己教育力(問題意識、主体的思考、学習の仕方、自己評価、計画性、自主性、自己実現)のすべてにおいて高いことを示しています。


簡単にとある研究者が用いた尺度を記載しましたが、
他にも例えば英レディング大学のC・ヒレンブランド氏は、レジリエンスに関係する強みとして、
(1)変化に対する順応性(柔軟性)
(2)希望(楽観性)
(3)忍耐力
(4)大局観
(5)社会的知能
という5つの強みを指摘するなど、まだまだたくさんあって...(笑)

ここではその中でも、注意を引いたものを独断と偏見で抜粋させてもらいました。

みなさんの身の回りで、「なぜあの人は困難を楽しめるんだろう?」と思う人がいれば、
きっとこれらの項目が高い値を示すに違いありません。


僕はこのレジリエンスに、高い関心があります。
その理由を、ちょっと次で述べさせて下さい。



僕がレジリエンスを重要な能力だと思う理由

僕の生涯目標とひとつに、
「困難な状況におかれた子どもをいかに救い出すか?」
というものがあります。(多分)

もちろん大人もなんですが、子どものほうが、よりどうにかしてやりたいと思わせる。
それは、以前ブログでも少し書いた通り、僕自身の境遇にもよるところが大きいのだと思います。


生まれた家庭環境の問題、学校での問題、友達付き合いの問題で、
乗り越えるのが困難な境遇に立たされる子どもは今でも決して少なくありません。

僕が酷い状況だったかは定かではありませんが、僕のように抜け出せる子どもが多くないのも事実だと思います。
(というか客観的に、あるいは誰かと比較して酷いかどうかなんてどうでもよい。その場に立たされている本人にとっては、目の前の問題こそが世界で一番困難な壁なので。)


そうしたときに、乗り越えられるかどうかの命運を分ける要因の一つが、
この『レジリエンス』だと感じています。


僕は前述した森さんの4つの心理特性を書きながら耳が痛い思いをしたのですが(笑)、
それでも例えばMacBookProを買って3ヶ月で盗難に遭った時には、

「いやーでも結局Pro買ったあとAirが新発売されたわけで、これは多分思し召しだろうから12回分割払いでもまた買いますけど、これによってMacユーザーが短期間に2人増えたわけで、Mac好きな僕としてはこの世の中にMacの喜びを享受している人が増えたのはむしろ喜ばしくね?」

と思えた程度には「I Can」のレジリエンスが高いものと推測されます(笑)
この強引なポジティブシンキングに見事成功し、今では分割払いも終えて無事Airからこの記事をお届けしている次第です。笑


まぁ今のは冗談半分で書きましたが、でもこうやって家庭や学校での問題・困難に対して果敢に立ち向かえるようになれば。

精神的に病んでしまう子も、この世を悲観的に眺めてしまう人も、自殺を選んでしまう子も。

きっと、きっと減るんじゃないかとちょっと本気で思ってるんです。


人を、幸福に導くのは難しい。
人によって何が幸せなのかは多様性がありすぎて、「幸せな人を増やす!」は価値観の押し付けになったり、あるいは時に洗脳になったりしかねません。

でも、「不幸な人を減らす!」という明確な方法があるのであれば。
幸福へのチョイスは本人に委ねられるのであれば。

手を取って強引にどこかへ連れて行ってしまうのではなく、背中を支えて優しく押してあげられるのであれば、そうした方法には魅力を感じています。


次では、具体的にどのような方法でレジリエンスを高めることができるのかを考えていきます。



レジリエンスを高めるには?

(このパートでは具体的な方法論について述べていきますが、読むのが面倒な人は
最後のパート「まとめ」で読みやすくまとめましたので、そちらをご覧下さい。笑)


このレジリエンス、「不幸にならない能力」という強力なスペックとあって、
実際に教育というかたちで応用されています。

しかしその現場は、学校ではなく、軍隊なんです。

軍隊は当然ながら、戦争をするわけですが、
イラク戦争での兵士のPTSD(心的外傷後ストレス障害)が問題になった通り、
精神的に病んでしまう人が多いのです。

ここで、精神を強くしなやかにしようということで行われるのが、実はレジリエンス教育。
いくつかあるようなので、ここで簡単に紹介します。

(参考:ハーバードビジネスレビュー2011/7月号)


マスター・レジリエンス・トレーニング

これは新兵教育担当の軍曹など、リーダー向けのものだそうですが、
みずからがまずレジリエンスを習得し、その知識を部下に伝達する方法をリーダーたちに教えるというものだそうです。

(1)強靭な精神の構築
(2)際立った強みの構築
(3)豊かな人間関係の構築
の三つに分かれています。

(1)強靭な精神の構築
心理学者アルバート・エリスの「ABCDモデル」をまず学びます。

C(感情的結果)は、
A(逆境)から直接生じるのではなく、
B(その人の逆境についての思考)から生じる

D(逆境に関する非現実的な思考を素早く効果的にぬぐい去る方法)

を学習するというモデル。


地に足をつけ、問題に対して真正面から向き合う姿勢を学びます。


(2)際立った強みの構築
「強みに関する調査票」から、グループセッションを行い、

自分自身について何を学んだか、
兵役を通してどのような強みを身につけたか、
任務の遂行と目標の達成に自分の強みがどのように役立つか、
自分の強みのマイナス面は何か、
どうすればそれを最小に抑えられるか、

を議論します。

そして次に、軍曹たちにチームを担当させ、
各メンバーの性格上の強みのプロファイルを用いて任務に取り組ませます。

最後に軍曹たちが、
「いかに強みを駆使して難局を切り抜けたか」
についての自分自身のストーリーを書くというもの。


これ、なんか就活のグルディスでもありそうなコンテンツ(笑)
レジリエンスという観点からだと、こうした取り組みはバカにできません。


(3)豊かな人間関係の構築
カリフォルニア大学サンタバーバラ校心理学部のシェリー・ゲイブル教授の研究を基盤として、

ポジティブな経験をしている人に対して積極的で建設的な反応(消極的で破壊的な反応とは逆の反応)を示せば、愛情と友情が増す

ことを学びます。

次に、スタンフォード大学心理学部のキャロル・デュエック教授の研究に基づいて、効果的なほめ方を教わります。

軍曹が(「よくやった」などの漠然とした言葉ではなく)具体的な事柄に言及すれば、
部下は、自分のリーダーがきちんと自分を見てくれていて、心からほめてくれているのだとわかる

というものです。


こうした3つの要因を構築すると、レジリエンスは高まることが実証されています。
他にも、鬱状態と不安感を軽減する要因である「感情・家族・社会・精神」の4要因を改善するプログラムが組まれているなど、軍隊ではレジリエンス教育が上手く活用されているようです。


続いて、軍隊ではなく学術の視点からレジリエンスを高める方法をご紹介します。


子どものレジリエンスとそれを引き出す支援(小田祐子)

1. 子ども自身の要因(性質、気質など)を伸ばす
本来的に持っているその子自身の気質、物事の感じ方・考え方、能力などの基本的な強さがレジリエンスとその支援に影響を与える。

例えば、ストレス対処や生き延びる戦略等の考える力に長けていれば、そこに着目し、それが強みとなることを確認して、共に考えながら試行錯誤することが役立つだろうし、愛嬌があり、ほっとけない気質を持ち合わせている場合は、人との愛着関係を強みとした支援が有効。

そうしたレジリエンスは大抵の場合無自覚に活用されているが、その力に着目し、自らの力や工夫に気付くことによって、無力感や自己評価が高まり、更なる成長へと繋がる。
よって、それらを感知し、引き出すことができる周囲の大人の豊かさと柔軟性も重要となる。


2. 家族の支え(家庭の温かさ、サポート、秩序)を強固にする
学校での虐めや事件、被害に遭うことで、本人はもちろん家族も大きなダメージを受ける。

しかし、そうした場合に家族成員が子どもの傷付きを受け止め、本人を問題解決の主体としつつ、適切に環境に働きかけることができれば、子どものレジリエンスは発揮され、驚くほどの回復や成長がみられる。
また、家族の適切なサポートや介入があれば、二次的・三次的被害を防ぐこともできる。


3. コミュニティの支え(教師、友人、地域の大人)
内なる暴力によって家族が機能を失い、子どものレジリエンスを守ったり、引き出したりできない状況下において役立つサポートは、コミュニティの支えである。

それは専門的な特別な援助ではなく、子どもを取り巻く大人・仲間のあたたかな関心である。
根本的な解決には繋がらなくても、声を掛け、真剣に話を聴き、味方でいてくれる存在が、子どもの本来持っている基本的な強さのサポートとなる。そうしたセーフティネットの網の目が地域に広がり、危機にある子どもがどこかでサポートされていくために必要なことは、地域の大人として社会の子どもを守り、育てていく意識と、暴力に関する意識啓発や予防教育を浸透させていくことであるように思う。


以上の三つのレベルが相互に影響をし合うことで、基本的強さのレジリエンスが育まれたり、補強されたり、引き出されていくことが期待される。

(参考 http://www.flcflc.com/study/article/16/16_oda.html)


小田さんの提案は下手に文章をいじらずそのまま紹介しました。


さて、軍隊と学術からざっくりとレジリエンスの活用方法を紹介しましたが、
もっと一般的な、普通の人たちにも上手く活用できないものでしょうか?

最後のまとめでは、僕が考えるレジリエンス向上の方法を述べてみます。



まとめーレジリエンスの高い社会を実現するには

「レジリエンスって、しなやかさだよな~」

という自分でもほんわかした認識を、なんとかそれっぽいものまで仕上げてみました。笑

全体的に学術チックな記述が多く、文量も多いため読みにくいものとなってしまいました。
すいません。。

最後に、これらを鑑みた上で僕の考える、レジリエンスの応用を述べてみます。


教育シーンへの導入

これはおそらく一番高いハードルでの実施方法ですが...

小中学校の義務教育においてレジリエンス教育が行われれば、単純に考えてその国の幸福度は向上すると思います。
ですが、あまり浸透していないところをみると、かなり難しいのでしょう。。

上述してきた内容に基づけば、

自分を他の誰かと比べない/間違いを素直に認められる/他人を信頼し、困ったら頼るようにする/発想の転換をし、問題を違った目線から捉えられるようにする/プラス思考/自分の強みを把握する/自分に自信を持つ

といったことが重要な要因だと考えられますが、じゃあ具体的にどう高めればいいのかと言われると...

ちょっと煩雑ですね。笑


紹介したような、軍隊でのマスター・レジリエンス・トレーニングを児童教育用に組み替えて実施する、という方法はたしかにあると思います。


それが子どもと将来の幸福度を支え、学力の向上や経済の発展に貢献するようなことを示すのは比較的容易ですので、ここをきちんと一般生活者と頭の固い教育委員会にもわかるように"翻訳"してあげる。

実施可能なまでに扱いやすいプログラムを作成して、一部の学校から導入をはじめてきちんと成果が出た時点で、市、県、そして全国へとプログラムを拡大していく。


他に、『レジリエンス』とは銘打ってはいませんが、似たような概念の普及に着手した例はあります。
「しなやかマインドセット」という、スタンフォード大学の心理学教授が考案した考え方です。

「しなやかマインドセット」の持ち主は、能力は筋肉と同じで鍛えられると信じています。
失敗のリスクはあっても挑戦しようとするし、批判を成長の糧として受け入れます。

一方、対立概念である「こちこちマインドセット」の持ち主は、能力が不変だと信じている。
能力は生まれ持ったものと信じているし、否定的な意見を恐れて挑戦を避けます。


これは、これまで述べてきたレジリエンスの概念とかなり似通った部分が見受けられます。
(なんせ、「しなやか」という言葉が共通しているくらいですし。)


この「しなやかマインドセット」を育てる上で重要なのが、例えば子どもの褒め方。

「頭がいいのね!」「バスケットボールが上手だな!」はこちこちマインドセットを助長します。
しなやかマインドセットでは、「あのプロジェクト随分頑張ったね!」「よくコーチの話を聞いていたね。今日のシュートではちゃんとボールの真下に肘があった。」といったように、生まれつきの能力ではなく"努力"を褒めるといいそうです。


また、2007年には、
「しなやかマインドセットは数学の成績を向上させるか?」という実験も行われています。

ここでようやく冒頭でも述べた、

"誰もが身に覚えがあるように、小学校では得意だった「算数」が、中学に入って「数学」へと変貌を遂げた途端、成績が落ちる子とそうでない子に分かれるのを目撃したのではないでしょうか。"

ということについても言及していきます。

この研究者は79%の生徒が貧困は劣悪な社会経済的環境にある学校で、実験を行いました。
生徒は口々に「ボクはバカ」「先生の教え方が下手だから」と言い訳を口にしていました。
この実験群を2つに分け、ひとつには「がんばれば頭はよくなる」、つまりしなやかマインドセットを仕込みました。

「おしゃべりができないからといって赤ちゃんを嘲笑ったり、バカだなんて思う人はいませんね。」
「今まで身につけたスキルを思い返して下さい。初めて自転車に乗れた時、どれだけ練習が必要だったか思い出して下さい。簡単にと思えるようになるまでは誰だって難しい。」
といったように。

このトレーニングを8週間のうち2時間しか受けなかったものの、なにもしなかったグループとテストの成績を比較すると驚くべき違いが明らかとなりました。

何もしなかったグループの成績はC+から次第に落第へと落ちていきましたが、
しなやかマインドセットを学んだグループは、下落に歯止めがかかっただけでなく成績は上昇したそうです。


この研究は、レジリエンス向上のための教育に具体的な示唆をしています。

失敗に寛容な組織が結果的にイノベーティブであるように、
挑戦を賞賛し失敗を許容して、努力のプロセスを丁寧に褒めることが、人をしなやかにする。

ひとつのいいガイドラインになるのではないでしょうか。


レジリエンスが発揮されやすい環境を整える

性格特性においてどれほどレジリエンスが高くても、
困難を乗り越えるためのハードルがあまりに高すぎては絶対に飛び越えられません。

どんなに前向きで頑張り屋さんな子どもでも、
あまりに厳しい家庭環境や学校での生活環境には押しつぶされます。

困難を緩和する、というベクトルにおいて、周りの環境を整えることは相当重要だと考えています。


それは例えば、

「他人に対して積極的に目配り気配り心配りをする気遣い、優しさ」といった性格特性を伸ばすこと。
「そもそも自分の周りの人たちを気に掛けやすい」ような住環境を整えること。



つながるかなーとは思ってますが、無事つながって安心しました。
これら2つは、前回のブログ『宣筆布告』でも「書きます!」と宣言したような、

・ペイフォワードなど利他行動を生み出す特性や習慣
・理想の住環境

につながりましたね。

なんとなく感覚で重要な関連性があるものだと踏んでいたのですが、ある程度信頼性の高い知見との関連性を証明できてほっとしました。笑

長くなっているのでここではもう控えますが、
レジリエンスが高まると他者への愛着が深まったり、向社会行動も促進されるようです。

歯車が回りだせば、レジリエンスと利他行動が好循環のスパイラルを生み出すかもしれません。



すいません、ちょっと話がそれました。
これらについては、それぞれきちんとエントリーを分けて考察していきたいと思います。

なので、今回ご紹介するレジリエンス向上のための方法提案は、ここまで。

いつも通り、大変長いエントリーとなりましたが(笑)、
最後まで読んで下さった方はありがとうございました。


※調べながら書いていますので、内容等に誤りが含まれていることがあるかと思います。
間違いを発見した際にはご指摘していただけたら幸いです。


thank you ^^.


【執筆にあたって参考したURL一覧】
http://daigakuin.soka.ac.jp/assets/files/pdf/major/kiyou/22_kyoiku5.pdf
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/metadb/up/kiyo/AN00246110/AREC_30_33.pdf
http://www.nipec.nein.ed.jp/kyouiku-db/haken-shuusi/h18_yousi_pdf/n_nakamura.pdf
http://ir.nul.nagoya-u.ac.jp/jspui/bitstream/2237/9457/1/29-36.pdf
http://president.jp/articles/-/194?page=2
http://d.hatena.ne.jp/posipsy/20101123/1290516458
http://www.flcflc.com/study/article/16/16_oda.html
http://cuccanet.blog72.fc2.com/blog-entry-334.html
宣筆布告。

「ブログって何のために書くの?」
っていう葛藤があって、だいぶ時間を空けてしまいました。

自分が既に思いついていること、考えていることを並べて、
でもそれって「俺こんなこと思ってんだぜ」って言ってるみたいでかっこわるくて。

そんなことやってる時間があるなら、勉強してた方が成長するよな...とか思ったり。。


なので、既に考えがまとまっていることに関しては、ブログに書くのは控えることにします。
ただ考えを書き写すだけの時間は、やっぱり無駄だから。

その代わり、ブログを書くという編纂の特性を活かして、
より考えを深めたい物事に関してのみ、基本的には書いていこうと思っております。


考えがまだまだ浅いものを、
人に説明しきるために情報を収集し、統合し、考えを深めて編纂する、
というプロセスを通して、知識をきちんと知恵にしていく。

なので、文は読みづらいこともあるだろうし、
浅はかでかっちょわるいことも書くだろうと思います。
(すでに前回の社会起業家のブログはその傾向がありましたが...)


でも、正しくなくてもいいや、というか。

結果として考えが深まることが重要だし、
誰かに指摘されて考えが深まるならなおさら良いし、
何より一考する価値のある「問い」を発することが重要だと思いました。


なので。

連載執筆『真っ暗な森で、ロケットを探す』と題して、
執筆をしようと思っています。

(なぜロケットなのか、という話は

をご覧いただくとおわかりいただいけます。。)

日頃からの思いつきをただメモするわけではないので、時間がかかるのが難点。


一応、最重要視しているテーマとしては、

・レジリエンスの仕組みと応用(材料)
・ペイフォワードなど利他行動を生み出す特性や習慣(エンジン)
・理想の住環境(土台)
・社会と人々の変化と方向性(月)
・上記の項目を考えてみて良いアイデアが出れば(スペースシャトルのつくりかた)
(+これまで蓄えてきた知識の編纂)

などなど。
それぞれを詳しく説明しだすと絶対更新できないので(笑)、
とりあえず適当にジャンルだけ書きました。


基本的にはどれも、今のところの自分が生涯をかけて追求していきたいと考えていることに関連していると考えてはいるのですが。

気分が乗れば&時間があれば、(+)で括ったような内容についても言及していければと思います。


ちなみに、これまでのエントリーを振り返ってみてもやたら社会問題系のものが多いのですが、
そういうテーマだけを扱うブログってわけではありませんので(笑)

気の向くままに書いていこうと思います。



...大丈夫かな。笑
うーーーん、わからん。

とりあえずやってみようかなと思います。


thank you^^.


※連載執筆『真っ暗な森で、ロケットを探す』第0章として、
 一部加筆修正しました。(2012/8/25)