■2023年(両親81歳)

 

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父 入院2日目 続き(3)

 

途中、父がうっすらと目を開ける瞬間あり。

 

「お父さん!! 尚子だよ! 尚子だよ!」

 

父の肩を揺らして声をかける。

 

父は数度まばたきをするも、呼びかけには反応しない。

大きく口を開けて酸素を吸いこもうとしているような感じ。

 

と、開いた口の中が垣間見えてぎょっとする。

なんでこんなにどす黒くなっているのか!!

 

ねっとりとした血のようなものが口の中を覆っていて、唇の内側にもべったり張り付いている。

 

なんだこれは!!

 

驚いて父の口の中を覗き込む。

 

とにかく真っ黒で中の様子がよく見えない。

尋常でない色をしているのは確かだ。

 

良く見ると、鼻の周りにも血のようなものがついている。

一体どうしたのだろう。

 

看護師さんが面会終了を告げに入ってきたので聞いてみると、痰の吸引はしたが、口内出血はしていないという。

諸々尋ねても、「出血しやすい状況」としか答えてくれず、詳しいことは医師でないと分からないという。

 

うーん、これ以上この看護師さんに聞いても暖簾に腕押し状態。

尋常でない父の口の中の状態に後ろ髪を引かれつつ、止む無く退室する。