■2023年(両親81歳)
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O先生来訪 10:30頃 続き(1)
食堂にいつものように両親がいるところにO先生が寄り添う。
動揺する気配もなく、自然に馴染んで声をかけてくれる。
その佇まいはまるで介護スタッフさんのよう。
「お母さん、O先生来てくれたよー!」と何度も声掛けする。
フロア内に流れる歌謡曲に合わせてO先生が歌い出す。
母の手を取りながら「上を向いて歩こう」を愉快に歌ってくれる。
すると母も笑顔になり、つられて一緒に口ずさむ。
とても嬉しそう。
この後、母がウロウロと歩き出したので、O先生が横に付いて一緒に歩く。
穏やかにゆったりと、母との時間を過ごす。
帰り際、駅までO先生を送りながら「大丈夫でしたか? 二人ともずいぶん変わり果てちゃったから…」と様子を伺うと、「全然大丈夫! わたしは(姉の介護で)慣れているから。でも思ったより元気そうで良かったわ」と大らかに答えてくれた。
改札の前でしばし立ち話、先生のご活動について聞く。
本当に充実している様子。
「良かったら尚子ちゃんも今度の同窓生の集まりに来ない?」などと誘われる。
その時に先生が開いた手帳、毎日びっしりスケジュールが書き込まれているページが垣間見え、驚いた。
どこまでも現役だ。そりゃあボケる暇もないという感じ。脱帽。
「また伺ってもよいかしら?」と言われ、「ぜひぜひ来てください!」と伝えて別れる。
いやはや、恐れ多い。
同じ80歳でも、実に様々だ。
元気な人もいれば、衰えている人もいる。
その境界線は一体どこで分かつのか?
不思議でならない。