■2023年(両親81歳)

 

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母 T病院 神経内科受診 続き(3)

 

T医師より

「そしてもう一つ。前頭葉機能の悪化が見られていて、瞬目なし、一点を見ている、体幹が硬い、転びやすいといった症状から、PSPの可能性が高いんじゃないかな。ただ、PSPには幻視の特徴はないので、パーキンソン症候群の可能性もあるかもしれません。」

 

更なるびっくりするワードが次々と出てきて、頭が思考停止しそうになる。

 

「パーキンソン病は寿命には関わらないけど、PSPは進行が早くて、3年で車いす、5年で寝たきりになります。」

 

……もはや、何を言っているのか分からない。

 

 

尚子「…寝たきりになっても会話とかできるんですか?」

 

先生「うんとね、スローになります。脳の伝達機能がかなり衰えるので、反応がかなり遅くなります。ビデオのスロー再生ってあるでしょ、あんな感じで。」

 

尚子「はぁ…。このPSPっていうのは何でなっちゃうんでしょうか?」

 

先生「分かりません。一般的には脳にタウ蛋白がたまることで麻痺すると言われています。」

 

尚子「遺伝とか…」

 

先生「遺伝は関係ありません。ちなみにパーキンソン病は便秘が原因と言われています。」

 

尚子「はぁ…。」

 

PSPであるのか精査するには、脳波や心臓の詳しい検査をして調べるか、そういった検査が負担であるなら内服加療をするそうだが、詳しい検査はこの病院ではできず、大学病院などでやることになると。

 

完全に頭が真っ白になる。

 

「まずは脳梗塞の結果が来週出るから、その時にどう治療していくかは考えましょう。」

と言われ、とりあえず脳梗塞の検査のため、母が処置室に連れられて行く。

 

ちなみに、母の頭の真っ赤な傷跡については、内出血して血が脳に溜まる恐れがあるので、1~2か月後に頭のCTを撮った方が良いとのこと。

 

わたしもここで一旦診察室を後にする。