映画「オッペンハイマー」 | 小野明良の【【【俺の事はホットケッ!】】】

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職業:俳優・映画監督・王様・沼部「Wild Bunch」
#小野明良 #桜坂物語 #ワイルドバンチ

2024年05月07日(火)・「映画『オッペンハイマー』」
 5/06(月)映画「オッペンハイマー」(2023米 原題:Oppenheimer)@川崎ラゾーナ109シネマズ

”原爆の父”と呼ばれたオッペンハイマーという理論物理学者の原爆開発とその後を描いた映画。
 USAのアカデミー賞を何部門も受賞している映画だそうです。
 確かにとても出来のいい映画でした。

 しかし、被爆国の日本人としては、好きになれない映画でもあります。
 それは、原爆の惨状にあまり触れていないとかいう問題ではなく(そこを問題視している人も多いようですが)私の場合、開発や原爆投下を美化しすぎている部分が気に食わないというのが本音。
 多分事実とは違う演出だと思われるが・・・・開発しておいて、使い方には関与しておらず、どちらかと言うと使用反対派だったなどという戯言を言うオッペンハイマーは、不愉快な人物にさえ映る。
(お前が作ったんだよ!お前は、開発者としてその威力を、結果を、見たっかっただろ!)
 大体、当時のUSAでは、原爆投下を実行する事に対する賛否の議論は、存在していなかったと私は認識している。

 3時間の大作で最後の1時間は、原爆投下成功の大賑わいから、オッペンハイマーの何やらよーわからん共産主義的疑惑やらスパイ容疑やらを追及する委員会との論戦が中心になるが、そんな裏話はどーでもいいよ・・・・ヘッ!・・・そんなことだったんですかい!?・・・ホントーですかね?・・・・ましてや、この映画どこまで真実が描かれているのかよーわからんし・・・・でも、原爆開発前後のUSAは、だいたいこんな様子だったんだろうな的納得。

 私がこの映画に見つけた価値は、戦争という狂気の中で一般市民大虐殺兵器を嬉々として開発するバカと、嬉々として使うバカ・・・・戦争に踊るアホUSAの姿がしっかりと描かれているという事。
 2~3百年したらこの映画は、戦争の狂気の中、無差別殺人の狂喜にわくアホな殺戮者USAを描いた貴重な作品として評価され直すのではないだろうか。
 私は、この映画を見終わってその印象が最も強かった。
(あいつらは、狂気の時代に踊った・・・踊らされた・・・・人として、神をも恐れぬ、無知で哀れな奴らなんだ・・・・)
 ・・・・まあ、当然踊っていたのは、USAばかりでなく、日本も・・・世界中がそうだったというのは自覚してますがね・・・・。
 先進国と言われている国は、途上国と言われる国を蹂躙しながら踊りまくってますよ、今でも。
 そういうアホ人類に向かっての警鐘的映画になるならばこの映画は、価値のある映画と言えるのではないだろうか。

 映画としての出来が良いのを理解しつつ・・・・、この映画を見て、原爆開発、原爆投下の成功を支えた物理学者の史実に忠実な物語だと信じて喜ぶ人が増えてしまうのは悲しい現実だが、この映画を戦争の狂気に踊るアホの見本映画だと捉えるならば、この映画には大きな価値があると、私は思う。

 ちなみに・・・・アインシュタインが全てを見透かしていた(これも多分作り話だと思うが)、というオチは気に入ってます。

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