第3話 『転入生』


 2014年6月6日の僕


 ついに、闘技場の次に楽しみにしていた、新入りとの顔合わせだ。
 教室はいつもより騒がしく、どうやら新入生が来る事をみんなは知っているようだ。男子ならかわいい女子がいいなとか、女子ならかっこいい男子がいいなとか、みんな口々に理想を話し合っている。
 もちろん僕だって気になる。
 どんな人だろう、カズ先輩や京介や直樹みたいに力でモノを言う奴じゃなければいいんだけど。……うん、レイカみたいな人なら理想、というか夢のような話だな。まあ、最低でも女子でありますように。
 
 チャイムが鳴る。ついにお待ちかねのご対面の時間だ。
 まず教室に入って来たのは先生で、あらかじめあまり騒がしくしないようにと注意した上で、新入生の名前を呼び、教室の中にと促した。
 男子と女子の期待が渦巻く中、新入生が扉を開く事を待った。
 …………しかし、一向に入ってくる気配がない。思いもしない事態にみんなもちょっとざわつき始める。気になった先生も、入って来なさい、と声をかけ直すが、やっぱり反応がない。
 もしかして、超能力者と共に机に座って勉強なんて、怖すぎて出来ないとかいう理由で逃げ出したのかもしれない。実際今までにそういう不安を言い出す奴は何人か見て来た。けど、時が経てば、結局は朱に交わり、共に勉学を学ぶのだから、人間と言う生き物の、慣れという力は恐ろしい。
 僕の場合は逃げ出さなかったけど、やはり少しは恐怖心を抱いていた。でも自分も超能力者だと思えばどうでもいい気持ちになって、すんなりと教室に入ったな。
 そういえばもうあれから一年以上経つのか……。
「おい、委員長、新入生探してこいよ」
 直樹が言うと、水が湧き出るようにみんなも続けて行けよと言う。
「えっ、僕が」
 やっぱりそういう流れになるのか。わかっていたけど、白々しくも言ってみるのがパシリの本能であり職務でもある。
 面倒な事があればいつも僕の出番が来る。委員長を決める時もこういう感じだったな。この学校うんに通い始めた頃と立場が全く変わらないのが、妙にいらつくし、何故か安心もする。
 今更、ここに来るまではパシリじゃなかったですよと言っても、誰も信じないだろうな。板に付きすぎて。
「まあ、いいけど」
 僕はなるべくきびきび動き、みんなの視線を集めることもなく、教室の扉に向かった。
「私も行っていいですか、先生」
 そんな優しい言葉をかける人間は一人しかいない。きっと声色を変えられたって誰だかわかるだろう。
「いいよ、レイカ。俺一人で」
 と、カッコつけて微笑むと、タッタッタタっと、けたたましく廊下を駆ける足音が聞こえてきた。ホームルーム中なのに誰が廊下を走っているのだろう? 僕は気になって教室の扉を開けて、廊下を覗いた。
 瞬間、デコ付近に金槌を振り下ろされたような衝撃が走り、脳を響かせるゴンという鈍い音が鳴った。
 僕は骨を直接殴られるような痛みに、思わずうずくまる。
「だ、大丈夫?」
 僕の正面から声が聞こえてくる辺り、そいつが衝突した人なのだろう。って、普通に話しかけてるけどあんたは痛くないのか? 
 涙を滲ませながら立ち上がり、大丈夫と言ったが、その瞬間、野太い声が教室に響き、かき消される。
「これが新入生ですか!」「イケるじゃん」「ヤベー」
 いかにも表現力のない、低能な言葉を聞く辺り、男子にはかなり好評な新入生なようだ。残念ながら涙が滲んで、目の前にいる、美少女と想像される新入生の姿を確認する事は出来ない。
 先生は男子の心からの声を聞いて頷くと、新入生の紹介を始めた。
「そうだ、こいつが新入生の相模三佳(さがみみか)だ。さあ、そんな端にいないでこっちに来い」
 と先生はドアの前で僕の様子を伺っている新入生に、中央の教卓にと促した。
 新入生は、はーい、なんて機嫌の良さそうな軽い声を出して、ステップも軽く教卓の横へ。
「どうも、初めまして。トイレで遅れちゃってすみません。あの……今日からよろしくだけど、わかんないことだらけだから、色々教えてくれるとうれしいなっ」
 僕は涙を拭い、新入生の姿を確認するより、まず教室にいるみんなの顔をざっと見回した。
 やっぱり、思った通りだ。
 男子は興味津々な表情と、ギラついた眼で新入生を見つめているが、女子は相対して冷たい眼差しを送っている。そりゃそうだろ、なんだこのブリッ子は? 愛想振りまき過ぎだろ?
 新入生のお願いに男子は馬鹿みたいに興奮して、鼻下を伸ばしている。一体何を考えているのやら。調子よく、俺に聞いて! などと言ってる奴は、下心の骨頂と言うべきだろう。
「みんな歓迎してくれてるみたいでうれしいなっ」
 てへっ。なんて言葉が聴こえてきそうなくらいのテンションだ。
 僕はそんな色目使いの姿を確認するため、顔を新入生に向ける。
 うーん、スラリと言うよりは、中々しっかりとした筋肉質な長い足。そのせいか尻も丸みを帯びていない。胸なんてあるかどうかすら疑問符が浮かぶ。顔は……大きな口に丸い瞳、長いまつげ、それらを収める小顔のおデコは少し赤くなっている。印象的には活発と言う言葉が当てはまるだろう。そして肩まで伸びた艶やかな黒髪。
 確かに美人だけど、好みではない。
 身長は僕と変わらないので、女子としては少し大きい(だからデコが赤いのか)。で、制服の衣替え時期が終わり、半袖じゃなきゃダメなのに、何故か長袖着用。ポンキュッボンではなくキュッキュッキュッ。せめて上か下のどちらが出ていれば色気がありそうだけど、残念だな。
 ……だから色目を使うのか。納得。
「えーっと、では彼女はまだこの街に来て間もないので、イロイロ教えてやる係、付添人が欲しいのだが、誰かやってくれないか? 学校以外の事も教えてもらおうと思うから女子の方がいいが……」
 という先生の希望とは裏腹に、挙手するのは軒並み男子だらけ。
「あらかさますぎて、皆さん楽しいですね」と小さく笑う転入生。
 あらかさま? あからさまだろう。言っとくがそれはお前の方だ。どうせ天真爛漫で天然という、男子が望む王道キャラ作成にでも勤しんでるのだろう。ったく、背筋が凍る。
「三佳クン、君が特に指定しないなら、適当に女子を担当にさせるがいいかな?」 
 先生の意見に、教室中の男子が反論する。本当にうっとうしい、サカリ過ぎだ。
「すみません先生。あの……指定していいですか?」
 媚びるような上目使いで頬を赤らめ、さらに指遊びをし、股を内に閉じもじもじと動かす。先生もその様子に思わず頬を赤らめる。このロリコン野郎が、お前今年で四五だろ? 
 先生は頷いて了承し、新入生はハートマークを浮かべるような声でありがとうとお礼をして、僕の制服の脇腹辺りを少し引っ張った。
 どゆこと? 
 幸いにもこの動作はみんなの眼には映っていないようだ。
 教室中の男子が固唾を飲み、新入生の指名を待つ。女子はもちろん白い眼で。
「えっと、……マサくんで!」
 新入生は僕の名札を見つめながら言う。贒でマサ、良く読めたな。やっぱり天然の裏側には博識が潜むのか?
 って、悠長にそんな事考えている場合じゃないな。なんとなく予感はしていたけど、どうしようか、この状況。男子からの猛烈な非難だ。
「降りろよマサ、そうしなきゃ明日からどうなるかわかってんだろうな!」
 はい、わかってますとも。パシリ当比校二倍ですよね、いや五倍だってありえる。それ以上に暴力なんて可能性も……。こりゃ丁重にお断りしなければ。
「なんでマサなんだよ! 三佳ちゃん」
 おっ、ナイス京介。いい質問だ。
「えーっと。ファーストコンタクトだからだよ」
 教室中の空気が冷える。さすがにそれはブリっ子の域を超えてる。ファーストコンタクトってSFとかでよく聞く言葉だよな。意味不明だ……これじゃ電波娘だよ、おい。
「よく意味が分かんないんだけど」
 僕の問いに新入生は少し俯き、顎に手をあて、星が浮かびそうなウインクをした。
「だって、ひよこは初めて見たモノをお母さんと思うでしょ、それと一緒」
 この発言で、新入生のファンは半減したと僕は確信を持って言える。理由? 何度でも言おう。あらかさますぎだ。三佳流で言うと。
 半減したものの、これから迫り来るかもしれない災いに、僕は溜め息をつき、新入生の願いを受け入れることにした。だって、受け入れないと逆に非難されるかもしれないだろ、生意気だ、って。

 僕の最低限の願いは叶ったが、新入生はレイカとは正反対の性質を持つようだ……。しかも面倒な係りなってしまうし、これなら新入生なんていない方がマシだったよ。

 チャイムが鳴る事で本日最大のイベントの終了を告げると、みんなは立ち上がり、新入生を空気扱いにして、教室から出て行く。
 慌ただしく机を引く音が聞こえなくなると、残ったのは先生と僕と新入生とレイカのみとなった。僕は新入生の名札辺りに付いている、金のピンバッチに模様が入っていない事を確認してから、再度先生に確認を取る事にした。
「先生、彼女は『無意識』ですか?」
「おっ、そうだった。その通り、三佳クンも君と同じ『無意識』だ。君は特にこの時間やる事がないだろう。なら、この時間を利用して校内を案内してほしい、そのかわり終礼までには戻るように」
「わかりました」
 僕の真面目ぶった返事を訊くと、先生は今日の仕事は終わったという満足げな顔をして教室から出て行った。
 ということで、僕の隣でわざとらしくきょとんとしている新入生になぜ、僕ら三人が教室に残ったか説明しなければな。
「えーっと。新入生」
「三佳って呼んでよー、新入生ってイヤ」
 嫌ならもっと嫌悪感を含ませて物を言えばいいのに、あんたの話し方じゃどっちかと言うと、もっと言って下さい、みたいに感じられる。
「ごめん三佳さん」
「三佳でいいよ。さんはいらない、距離を感じるから」
 距離を置いて話してるんだけど……、なるべくお近づきになりたくないから。
「えっと、三佳は知ってる? 何でここに僕らが残されたのか」
「えーっと…………」
 わからないならわからないって言って欲しいんだけど、考え込んだ顔をされると、答えを言いにくいから。
 …………。
「『無意識』だからだ。だからここに残されたんだよ」
 と言っても意味わからないか。
「普通、超能力を使える人は、カプセル状の薬剤を飲んでから三〇分以内しか使えないんだ、ちなみに一日三回まで。それは脳にある危険があるから、三〇分以内に造ったらしい。そしてこっちも、もしも一日三回以上服薬すると脳に支障を来す可能性があるから気をつけなきゃだめ……、って服薬しない君に言っても無駄か」
「三佳って呼んでよ」
 いちいちいちいち。説明する事も面倒だけど、こいつの要望に応える方が面倒だ。
「はいはい、三佳。でも僕と三佳とそこに座ってるレイカは、カプセルを服薬しなくても超能力を使える。というか心臓が動くのと同じように勝手に使ってるけんだど。それは服薬した人と比べると能力がしょぼいことが理由かもしれないと言われてる。でも、実際の所まだわかんないらしい。言ってしまえば想定外の能力者なんだよ、僕たちは」
 服薬しなくても、無意識に超能力が溢れ出るから、『無意識』。
「教室から出て行った奴らは超能力の練習をしに行くんだ。土曜日は学校が昼までで、ずっとその練習か勉強なんだよ。でも僕らは『無意識』だから、意識して使えないだろう? だから練習のしようがないから、土曜日は自由時間なんだよ」
「なるほどねー」
 こいつ本当にわかったのか? まあいいか。ところで、
「三佳はどんな……」
 能力を持ってる? と訊こうと思ったけれど、『無意識』の人が能力を教える事は原則、禁止されてるんだった。もちろん訊く事も。
「どうしたの? 何か訊きたい事あるの?」
 言葉を引っ込められたら気になるよな、でも能力を訊くわけにいかないし……。
「どんな趣味を持ってるんだ?」
 三佳はどういう経緯でそう言う話しになったんだろうと言う顔で、僕を見つめる。
 やっぱり、ごまかしきれなかったか。けど、本当は能力の事訊きたいんでしょ、と言及しないで、三佳は答えてくれた。……案外いい奴なのかもしれない。
「えーっと。音楽。ミュージックと水さえあれば人間生きていけるのです!」
「すごい愛情だな」
 確かに俺も音楽は好きだけど、水と音楽だけの世界にはいられないな。耳にタコができる。
「考えてご覧よ、音楽はどこにだってあるし、誰にだって奏でられる。これ以上の芸術はないでしょ。音楽がなければ人類は滅亡してるね、間違いなく」
 趣味の話しで人類滅亡と言う言葉が出てくるなんて、やっぱり三佳はすっとんきょうだ。
「マサは何が好きなの?」
「僕か? 僕はもっぱら読書。なんたって人類の知恵が詰まってるからな」
 僕が得意げに言うと、三佳は自尊心を逆なでするような、憎らしい笑みを浮かべた。
「何だその顔は? 自分の方がいい趣味持ってるみたいな顔しやがって」
「持ってるもん。だって文学なんて眼が見えなくちゃ意味ないじゃん!」
 さっきまでの猫なで声とは違い、一切加工を加えていない声を出す三佳。やっと顔と声が一致した。快活そのものだ。
「音楽だって耳が聴こえなきゃ意味ないだろ!」
「こうすればいいんですーだっ!」
 三佳は僕の胸辺りに指を置いて、8ビートを奏でる。
「文学だって点字があるだろ! これでおあいこじゃないか」
「点字は覚えなきゃダメだけど、音楽は覚える必要ないっしょ! 感じればいいのよ!」
「胸を指で叩いて音楽何て言えるか! ただ不快なだけだ!」
「あんたミューズをバカにしたね!」
「ちょっと待って、その辺でお終いにしよ」
 これからエスカレートするであろう、音楽対文学の論争に終戦命令を出したのは、机に座って僕らのやり取りを見ていたレイカだった。落ち着きのある声を腹の底から出されると、思わず声も止まってしまう。
「何? あんたも音楽より文学の方が上って言うの?」
 三佳は、余程僕によってプライドを傷つけられたのだろう、無関係なレイカにまで厳しい表情を向ける。ホームルーム時とはえらい違いだ。
「いや、そんなことないよ。ただ、どっちも立派な文化だから……、例えるなら卵と鶏どっちが先かってくらい、わかんないことかな。ごめんね三佳さん」
「意味わかんない。卵が先に決まってるでしょ! 馬鹿!」
 この問いに対して即答する奴は、天才か無知のどちらかだと思う。三佳の場合は知らない方だろう。偏見だけど、あんなブリっ子ぶって、うろ覚えの日本語を使ってる奴がこの問いに即答できるわけがない。それよりまず、意味が分からないと言ってるからな。
「例えだよ例え。鶏は卵を産むよな、でも卵から鶏が生まれる。じゃあ、どっちが先に存在してたか? ってこと。どっちが先かわかんないだろ? だから音楽も文学もどっちがいいなんて、わからないって例えた訳、レイカは」
 僕は、三佳が発した意味わかんないの部分を、必要以上に三佳に説明してやると、
「卵、にわとり……にわとり、たまご、たまご、にわとり……」
 と自分の頭に質問文を理解しようと呟くが、五回繰り返したあたりで、とうとう限界に来たらしく、歯を食いしばり、イライラを発散させるように頭をかきまくった。
 その姿がおよそ一六歳のする仕草とは思えず、それにさっきまでブリっ子ぶっていたくせに、すごく幼稚でがさつだから、口内に溜め込んでいた笑いを、ついに吐き出してしまった。
「何笑ってんの! 無知を笑うなんて最低だ!」
 俺は笑いながら弁解をする。そうでもしないといよいよ三佳に殴られそうだ。
「ガキっぽい事するからついつい。別に卵と鶏の話を知らないからって笑ったんじゃないよ」
 実は言うと「卵」と考えもせずに言った辺りから我慢してました。すみません。
 俺の弁解が、功を奏したのか、三佳は頭から手を離す。不機嫌そうな顔をしているけど、さっきまでの殺気は消えた。
 その表情を読んで、レイカは自分の机から離れて、言い合いを止めるため教卓の前まで来た。
「もうその辺にしておこうよ。ねっ、今から校内や、地下街を案内するのに、そんな調子じゃ楽しくないでしょ」
「そうだな、えっと、さっきはごめん。僕は和泉贒(いずみまさ)。一応、このクラスの委員長だ。よろしく」
「わたしは大和麗花。よろしくお願いします。あの、さっきは失礼な事言ってごめんね」
 僕らの謝罪兼自己紹介から、一拍あいて三佳は口を開いた。
「あたしも悪かったと思う。あの、不届き者ですがよろしくです」
 えっと、この流れからして不束者なら意味はわかるけど、不届き者って……もしそうなら付き合い方を考えないといけないな。
「ホームルームの時と凄い性格が違うとけど、お前の性格はやっぱり今が素なのか?」
 僕の問いと同時に、三佳は体をビクッと一瞬だけ動かし、指遊びをしながら、
「そんなことよ。さっきはちょっと怒っちゃったからだもん」
 うーん、一度、素を見てしまったからか、かわい子ぶる三佳の姿を見ると虫酸が走る。
「お前絶対キャラ作ってるだろ? 見苦しいからやめろ、ブリっ子三佳ちゃんになるなら案内なんてしないぞ。な、レイカ」
 レイカも同じ意見だろうと思い、話しを振ってみたけど、予想通りだったらしく、苦笑いして、
「だね」と必要最低文字数の回答をしてくれた。
 レイカのいいところは思った事を全て言って人の気持ちを傷つける奴ではなく、三割程度言って、相手も自分も傷つけないで、注意できる事だと思う。やってみればわかるけど、これって案外難しい。
 すると三佳は溜め息をついて、反論する事なく、僕らの意見を受け入れた。案外素直だな。
「やっぱり慣れない事はしない方がいいか。正直、あたしも狙いすぎかなと思ってたけど、そこまで嫌と思われるとは思ってなかったよ。ブリっ子って疲れるんだよね」
 見ているこっちまで疲れてくるんだから、当人は相当だろう。
「掴みは失敗したみたいだけど、これからどうにかなるよ」
「そうかな? みんなが教室から出てった時、あたしに一つも声かけてくれなかったよ。あの流れだと、男子の一人や二人、告白して来てもよかったと思うけど」
 自己紹介しただけで、告白されるってどんな流れだ。盲目過ぎるだろ。
「あれは仕方ないの。みんな必死だから、超能力の上達に」
「そうそう、あいつらは『超能力』と言う言葉を聞くと眼の色が変わるからな」
「どうして?」
 色々なわけがあるから、答えを一言二言で片付けれないんだよな。
「教室で話してても、案内が進まないから、歩く最中に答えるから、まずは教室から出よう」
 レイカも僕の意見に同意らしく、教室の鍵を持って、まず先に教室から出た。その後に三佳、僕と続いて、鍵を閉める。これで最初の目的地は決まったわけだ。
 職員室。