夏場所。大の里が阿炎を破って初優勝。初土俵から7場所での幕内優勝は輪島を抜き史上最速。またもや新記録が生まれた。恐らく更新は難しいのではないか。

 

大の里は落ち着いていた。阿炎は立ち合いのど輪でグイッと攻めたが大の里は下がらない。宛がって右を差し気味に前に出ると、阿炎は呆気なく下がり押し出して決めた。意外にもあっさりだった。それだけ大の里の精神力が高かった。

 

1年前は幕下付け出し。新入幕から3場所で34勝。大鵬が新入幕から30勝というのを考えても驚異である。これまで壁らしい壁は初場所の3連敗程度。まともに壁には当たっていない。相撲ぶりもリーチの長い突きに、寄りきりでも体を引きつけて腰を落とすなど、慎重さがある。平戸海戦の敗北など小兵が一気に出ると脆いようだが課題はその程度か。

 

来場所は大関をかけるのだろう。しかし来場所とてどれほど上位が揃うか。霧島陥落・貴景勝角番という状況を見てもこのまま一気に上がる可能性高い。周囲の力士は大の里への意地も示してほしい。

 

2大関。最終的に優勝争いに残ったとはいえあまりいい場所ではなかった。豊昇龍の場合、投げ技が研究されたか封印され精彩を欠いた。日馬富士と比較されるがスピードから技能から数段落ちる。10勝は休場の多さも作用した。特に御嶽海~欧勝馬はボースステージだった。運だけはある。

 

琴櫻も前半から白星を積み重ねるも強さを見せつける程でなかった。4敗も大栄翔・大の里・高安・阿炎とある意味現状を示している。特に高安・阿炎戦の完敗は課題。何となく体力で勝利しているツケのように思える。13勝を経験ながら優勝をできずも運の悪さを感じる。

 

霧島は6場所で陥落。初場所の照ノ富士戦以降全く別人だ。首の負傷というがあの軽さはそれだけではない。10勝も厳しいだろう。 貴景勝もそもそも出場すら厳しくすぐに消えた。照ノ富士とともに進退が全く見えない。大の里が初日に完勝とすでに世代交代モードだが。

 

大栄翔もこれまでと比べ一発一発に重みがあるように見えた。それが11勝につながったか。

 

欧勝馬が新入幕の10勝で敢闘賞。湘南乃海・宝富士など序盤好調力士もいたが結局9勝に落ち着いた。そもそも上位の休場が多くどれほど評価していいのか難しい。少し割り引く必要もありそうだ。