番付編成会議が終わり、阿武剋・塚原改め栃大海・ 風賢央の3人が新十両となった。また千代丸が再十両。 おそらく引退の北青鵬、北はり磨、天空海、琴恵光の4人が陥落。風賢央はこれまで6枚目が最高位で、勝越し自体も13枚目が最高だが今回13枚目の全勝で一気に昇進となった。

 

 

同じような例を見ると、今場所限りで定年となる世話人の福龍岳は昭和62九州に十両昇進しているが、これは前場所14枚目の全勝によるものだった。この福龍岳は15枚目以内の勝ち越しがこのとき1度だけ。いかに運が良かったか。さらに史上初幕下15枚目格付け出しで全勝を果たした下田(のち若圭翔)は翌場所十両昇進できず、結局その後も昇進がかなわなかったが、成績を見ると15枚目以内の勝ち越しは3度あるが、1桁台には5回昇進したものの1度も勝ち越しはなかった。意外とこういう力士はいる。

 

十両下位を見ると伯桜鵬が8勝に終わり、若隆景も9勝止まり。十両の中心になるかと思われたが失速した。十両下位に落ちた碧山も7勝だが十両全体に星が挙がっていない。6勝~9勝に20人と全体に潰し合いとなった。前半目立たなかった水戸龍が優勝したのはこのためか。7連勝の若隆景、8連勝の朝紅龍が9勝に終わったのが大きい。

 

 

引退力士は17人と先場所と同じで合計34人。入門者は38人でなんとかプラス4人。新弟子数の減少は明らかだが、最近は引退力士が各場所で増えつつある。

 

 

そして宮城野部屋。伊勢ヶ濱部屋に移籍のようだが一度に20人弱の力士が移ることになる。過去木瀬部屋が北の湖部屋に合流の際は、総勢46人の大所帯となり生活面で不都合が多かったようだ。

 

今回移籍案が二転三転したのは一門の意見と執行部の意向が合わなかったためという。一時浅香山部屋に決定という話もあり執行部からも推されたが、浅香山は力士9人の小部屋である。相撲未経験の力士も多く、部屋施設も決して大きくない。20人の学生相撲出身はじめとした強豪力士の移籍には抵抗もあったのだろう。魁皇の人望もあってか周囲にも推す声が多かったが親方は拒否。旭天鵬の大島部屋という話もあったがこれは執行部側が差し戻した。モンゴル出身というのが一つのようだがはっきりしない。親方と力士がセットで移籍か、別とするかでも溝が大きく紛糾する原因となった。結局一門の総帥である伊勢ヶ濱部屋ということでひとまず落着した。

 

ただ宮城野部屋への処分については過剰すぎるという声もあり同情論まで出始めている。

 

協会としてはさらなる問題が発覚すれば宮城野は追放したいとはいえ、追い込んでいるかの印象は与えたくないという微妙な思惑があるようだ。協会内でも依然、追放を唱える親方もいる一方で、猶予を与え指導者としての再起を促したいという論もある。親方日の丸でトントンと進みがちな相撲界だがこの件に関しては相当敏感になっているのが伺える。

 

 

今回の閉鎖で引退する力士もいるというが、春場所では宝香鵬、雷鵬、輝鵬、炎鵬、竹葉が休場している。この中で改名、1番のみ出場で休場、7番相撲のみ出場といった不穏な動きをしている力士がいるのは気になる。黒熊が今場所皆勤ながら引退している。

 

伊勢ヶ濱部屋への移籍も来年には親方が定年のため、そこでさらに動きがあるとも言われる。ある意味火薬庫に危ない爆弾を入れたような状況だろう。どこまで宮城野問題は続くのか。