照ノ富士琴ノ若、琴ノ若何もできず照ノ富士の圧勝だった。霧島豊昇龍は霧島の二枚蹴りが鮮やかに決まり、豊昇龍は休場。照ノ富士の不戦勝になってしまった。そして14日目の霧島琴ノ若。

 

霧島は今場所危なげないというより得意の逆転相撲が冴えていた。まさに負けない相撲といったところだが琴ノ若戦はまず2度の待ったで気勢がそがれた感がある。照ノ富士豊昇龍が不戦で結びの一番にスライドしたのも空気が変わり意識し過ぎたか。突っ張りで先手の後のど輪で動きを止めたが、その後の突きが堅く琴ノ若にいなされてしまった。霧島の粘りが見られずあっさり琴ノ若に左四つに組まれ、胸をついて押し出されてしまった。 琴ノ若も堅かったがそれ以上に霧島に思い切りがなかった。今場所これまで勝ち進んできた運も含め一気に覆した印象。横綱はひとまず見送りか。一方の琴ノ若は地味ながら三役に在り続けてきたが大関はかなり近くなった。

 

照ノ富士が結局トップで残った。序盤の相撲から見ると休場可能性も強かったが、正代戦の負け以降ギアが入ったように思う。苦手な押し相撲の大栄翔戦が外され大の里と当たるなど運も味方。終盤に不戦勝とついている。明日は照ノ富士霧島、琴ノ若翔猿だが霧島がこれまでも照ノ富士に善戦するものの敗れているだけ厳しいだろう。琴ノ若敗れ、霧島価値の場合3敗の巴戦もあるが可能性は低そうだ。
 
初場所は初優勝が多く、過去平成以降では霧島、貴花田、貴ノ浪、千代大海、武双山、栃東、把瑠都、琴奨菊、稀勢の里、栃ノ心、玉鷲、徳勝龍、大栄翔が初物である。これは平成以降の初優勝40回のうち13回に当たるだけに多い。琴ノ若にも運が向いているといえるが行方は?
 
行司木村容堂も初の結びの触れだったが少し声が不安定だった。予行演習になったのか。
 
しかし手負いの照ノ富士に殆ど歯が立たないのは悲しい。白鵬にも誰も引導を渡せず全勝優勝で逃げ切られるという失態となったが、照ノ富士も同じことになるのではないか。今場所も12勝という事で引退説はひとまずなくなった。復活という内容ではないが堅実に星を積み重ねてきた。本人の考えは定かではないが年2場所程度の皆勤でも優勝争いに加わるならば進退を言い出しにくい状況。 そもそも昨年は1度しか皆勤がなかったが。
 
批判もあるが結びに出ることで場所全体が締まる印象がある。やはり大関陣では軽い。次の横綱といっても3大関にはなかなかイメージが湧かないのが難しい。
 
それほど三役以下との力量に差があることとなるが、そもそも霧島も豊昇龍も照ノ富士戦の勝利が一度もなく横綱大関の成績では異例である(貴乃花雅山などがあったが)。やはり力士減ならず大相撲の先行きを考えてしまう。まずは優勝がどうなる。