安倍派のパーティー券収入のキックバック(還流)問題。松野官房長官はじめ事務総長経験者の安倍派幹部まで問題が及び大規模な政治事件となる可能性も出てきた。発端は政治資金収支報告書の告発。
自民党の5つの派閥で政治資金収支報告書に記載漏れがあったとして告発された問題を巡り、安倍派は2018年からの4年分で54件の記載漏れがあったと明らかにしました。 安倍派は今月22日、収支報告書について2019年から3年分を訂正したと説明していましたが、24日に改めて2018年から2021年の4年分で54件の記載漏れがあり、すべて修正したと発表しました。
野田元首相は11月22日の予算委員会で「私は総理からは危機感を感じられませんでした。適切な対応の内容は、要はミスをしたならばそれを修正すればいいという、うっかりミスが続いているかのような言い方ですよね」と岸田首相を追及していた。告発で岸田派に加え、茂木派と安倍派が、収支報告書に記載が必要な20万円を超える支出をした団体などの名前の記載漏れがあったとして、収支報告書を訂正。特に安倍派の54件は多く批判があった。
総務省が発表した2022年分の政治資金収支報告書では、自民党の6つの派閥の収入総額はおよそ11億8400万円で、そのうち政治資金パーティーはおよそ9億2300万円となり、最大の収入源である。6つの派閥のうち、最も収入が多かったのは麻生派。安倍派は2018~22年に年1回政治資金パーティーを開き、計約6億6000万円の収入が報告書に記載されているが、直近3年間の収入は1億円前後で、100人を超える最大勢力の安倍派は告発された5派閥で最も少ない。この時点で派閥の勢力と収入が比例していないのは不思議と感じる。
キックバックが一斉に報じられたのは11月30日頃。
12月1日の毎日新聞で(一部編集)
自民党の派閥が政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に過少記載したとして刑事告発された問題で、最大派閥の安倍派(清和政策研究会)では収入を所属議員にキックバック(還流)させることが常態化していた疑いがあることが自民党関係者への取材で判明した。キックバックが派閥の報告書に見当たらず、資金が裏金化されていた可能性があるという。
裏金は直近5年間の総額で1億円を超え、収入と支出の不記載額は合わせて数億円に上る可能性がある。自民党議員の複数の秘書によると、一般に自民の派閥の政治資金パーティーには、所属議員に対してパーティー券の販売枚数の割り当て(販売ノルマ)があった。このうち安倍派を含む一部の派閥では、ノルマを超えて売れた分は派閥から議員側にキックバックされる仕組みになっていた。
ノルマは当選回数や派閥の役職などによって50万円から数百万円程度の幅が設けられており、キックバックの額がパーティー1回あたり100万円を超える議員もいた。キックバックを各議員の政治団体への寄付として収支報告書に記載している派閥もあるが、安倍派の報告書には記載が見当たらないという。
安倍派の塩谷立座長は11月30日にキックバックの慣習があるのか記者団から問われ「そういう話はあったと思う」と述べ、同日中に慌てて撤回。お粗末な展開となった。12月5日には二階派の桜田義孝元五輪相が11月22日に300枚の販売ノルマを達成するのが難しいことを理由に 派閥の退会届を提出。 キックバック自体は認めている議員がほかにもおり、この制度は常態化していたはず。
安倍派が昨年開催したパーティー収入は9480万円。販売ノルマはヒラの議員が50万~100万円で、閣僚経験者は500万円前後。最高幹部クラスは750万円が基準らしい。100人近い安倍派所属議員のうち、閣僚経験者は22人で、ヒラの議員は70人程。ヒラの議員のノルマを50万円、閣僚経験者は500万円、安倍は750万円と仮定し計算すると、計1億5000万円近い。ノルマ超過分を含めればさらに増加する。収支報告書の収入と合わずこの時点でおかしいのは明らかである。
気になるのは使途。安倍派の元衆院議員の証言によると事務所秘書の給与やボーナスの一部に充てていたらしい。元議員は「なぜこんなずさんなことをやっているのかと思った」と述べ、「裏金を受け取ることで秘密を共有し、結束を固める狙いがあったのではないか」とも言及した。キックバック分を巡っては「多くの議員も地味な形で使ったのだろう」とし娯楽への使用はないとしている。元議員は、自民では議員に還流しない派閥もあるとも指摘した。
昨年5月と一昨年12月での安倍派が開いたパーティーでは、キックバックがなく、落選議員はパーティー券の販売ノルマも課せられなかったようだ。東京地検特捜部による捜査が噂されていたとも言われる。安倍が健在な時でありこのまま実権を握っていればどうなったのかと考えてしまう。
最大派閥に権力や富が集中するのは容易に想像でき、安倍であれば大丈夫という長期政権で積み重なった奢りとも思われる。また寄らば大樹とばかり安倍周辺に集まっていた議員も多いのではないか。
統一教会、東京五輪汚職にしても安倍一強が招いたことで安倍の死によってすべて明るみとなった。安倍派は清和政策研究会が正式名称で政清人和(清廉な政治によって人民を穏やかにした)という故事が由来である。全容が明らかとなるか不明だが全く名称・精神に反する問題ばかり起こる自体、安倍政権の負の側面は大きい。