魁聖が引退して友綱襲名。これで空き名跡は北陣だけ。再雇用制度によって実質停年が70歳になったことで新規の襲名が非常に厳しくなった。10月に大山(元大飛)が70歳満了となるが以降は4年後の峰崎までない。停年退職も5年後まで鏡山、入間川、陸奥、花籠、伊勢ヶ濱、大嶽、陣幕、白玉、常盤山、粂川、春日野、境川とラッシュ。

 

このうち全員が再雇用かは微妙だが峰崎の満了まで10人が参与となる。一方幕内力士で20代後半以上は37人もおり、今後数年で引退が見える力士も多い。今の20後半~30代の力士は年寄襲名がどうなるか先が見えない。現役年齢はどう粘っても37~8歳が限界だ。

 

例として平成20~30年は停年退職が35人、退職・解雇が15人、死亡が6人でそれに対し39人が引退し年寄を襲名している。39人の襲名のうち既に廃業は3人、死亡が2人で現在も34人が在籍している。単純計算で56回名跡が空位となり(北の湖・貴乃花は一代年寄で含まないがここではあえて入れた)39人が引退し継承となった。停年退職者の数と引退襲名者はほぼ一致するわけで停年の実質延長が力士の引退に影響されるのは明白。

 

相撲界には多いことだが裏取引があり、名跡が水面下で譲渡され本来の所有者の引退で退職というケースもある。あるいは引退した力士が再雇用分の給与を支払い退職してもらうといったケースも考えられる。また不謹慎だが再雇用満了前に病気療養などで退職あるいは死亡もあるだろう。 意外と引退即廃業は少ないとも予想はできる。

 

多数の元三役や幕内が廃業にならないように対応はしっかりしてほしい。

 

(追記) 大山親方が8月いっぱいで退職。恐らく近日中に引退が出るのだろう。こういうケースが増えそうだ。ある意味相撲界らしい臨機応変さか。