番付発表。新大関といってもすでに周知のこと。再関脇に再小結と再が多い。三役~平幕は往復が多い。それだけ番付の重みがなくなっている?

 

元大関2人が堂々の関脇に。かつてより元気というのもいいがなんだかなの印象。

 

一山本の三役はなし。序盤不振でこっそり勝ってという星取はやっぱり駄目か。

 

新入幕2人。朝白龍と羽出山。朝乃山も再入幕。

 

それよりも大量改名のインパクト。旧宮城野の伊勢ヶ濱部屋の9人。

 

伯乃富士 (はくのふじ) 伯桜鵬 西幕下二枚目
寿之富士(としのふじ) 聖白鵬 西幕下六枚目
三重ノ富士(みえのふじ) 天照鵬 西幕下九枚目
嵐富士(あらしふじ) 松井 西幕下十三枚目
泉富士(いずみふじ) 泉翔鵬 東三段目二十三枚目
花の富士(はなのふじ) 川副 西三段目二十六枚目
美富士(ちゅらふじ) 美 東三段目六十二枚目
蔵ノ富士(くらのふじ) 大ノ蔵 東三段目六十五枚目
翠河富士(すいがふじ) 良ノ富士 西序ノ口七枚目 

 

まるで「白鵬氏の影響力を排除する」というところ? 鵬の字は消え、それ以外も改名し心機一転。炎鵬のみ鵬がそのまま。やはり自らの意思で改名なのか。照ノ富士の門下となったことを示す。これで31人中29人は改名した。

 

やはり力士も元白鵬への不信感があったとも。この分では仮に針の筵で処分解除とはいえ先行きは暗かった。ほぼ痕跡は消えてしまった。いくら優勝、最多勝といっても一人ではなにもできない。無常。

 

 

 

 

今年の大相撲入門者はどうだったか。新弟子からみる。 

 

1月
河隅脩泰(16)東京都葛飾区、高砂、175センチ、93キロ
砂坂有哉(18)福岡県田川市、高砂、175センチ、131キロ
青木康文(17)神奈川県真鶴町、伊勢ケ浜、175センチ、152キロ
斎藤忠剛(17)京都市西京区、伊勢ノ海、174センチ、124キロ
中村龍之佑(18)三重県伊勢市、安治川、180センチ、132キロ
内海佳旭(21)愛知県豊田市、武蔵川、180センチ、125キロ

3月
北海道】▽小山内快夢(18)=北斗市、放駒、175、126
【青森】▽長谷川恵司(20)=つがる市、西岩、172、117
神哲平(18)=鶴田町、西岩、173、108
【岩手】▽照井隆世(18)=北上市、湊、180、89
【秋田】▽銀谷皇輝(15)=仙北市、押尾川、172、121
熊井碧(18)=秋田市、押尾川、173、71
石井凰獅(18)=鹿角市、押尾川、177、177
【栃木】▽相馬駿太(15)=大田原市、二子山、177、139
【群馬】▽梅山颯大郎(18)=高崎市、二子山、177、143
【千葉】▽佐藤凌雲(15)=柏市、伊勢ケ浜、182、123
横瀬陽翔(17)=成田市、押尾川、173、130
山内敏博(15)=我孫子市、田子ノ浦、170、119
住吉侑真(15)=柏市、二所ノ関、166、101
京田力丸(22)=千葉市、高砂、183、123
【東京】▽門村一茶(19)=江東区、伊勢ケ浜、175、128
橋本辰幸(16)=板橋区、雷、173、115
山野辺力(15)=墨田区、出羽海、168、77
二川孔宣(15)=足立区、錦戸、168、123
今田光星(24)=墨田区、音羽山、173、120
【長野】▽寺西蓮(15)=飯田市、玉ノ井、176、139
山岸蒼生(18)=長野市、音羽山、178、117
【愛知】▽五島雅治(22)=春日井市、藤島、180、181
【大阪】▽平井成耶(15)=堺市、高砂、171、101
安田翔馬(15)=西成区、伊勢ケ浜、187、114
松永愛羅(15)=羽曳野市、西岩、171、131
橋本大和(15)=港区、出羽海、174、101
【鳥取】▽松田天(19)=湯梨浜町、境川、172、146
【愛媛】▽城戸大河(18)=砥部町、玉ノ井、177、154
【福岡】▽寺尾翔太(15)=福岡市、佐渡ケ嶽、175、108
深田新平(15)=福岡市、雷、173、170
高巣葵(15)=福岡市、田子ノ浦、175、139
【鹿児島】▽沢崎鴻(15)=霧島市、尾上、166、107
福崎真逢輝(18)=奄美市、藤島、172、143
【沖縄】▽内間悠天(15)=伊江村、二所ノ関、183、158

5月
可貴秀太(22)石川県小松市、追手風部屋、190センチ、132キロ
中村悠真(18)青森県田子町、安治川部屋、168センチ、111キロ
下釜航士郎(19)長崎県諫早市、境川部屋、173センチ、108キロ
ムンフェルデネ・ブヤントグトフ(19)モンゴル・ウランバートル、時津風部屋、188センチ、156キロ
谷野魔裟斗(16)徳島市、秀ノ山部屋、168センチ、78キロ
美浪碧仁(18)岡山県津山市、秀ノ山部屋、178センチ、111キロ
行徳康祐(22)東京都荒川区、玉ノ井部屋、178センチ、143キロ
浦山秀誠(22)富山市、音羽山部屋、184センチ、170キロ
花岡真生(22)熊本県宇土市、境川部屋、180センチ、134キロ
稲川颯介(15)岩手県山田町、玉ノ井部屋、178センチ、113キロ
末冨聖也(15)山口県山陽小野田市、境川部屋、175センチ、143キロ田中壮来(19)熊本県阿蘇市、二所ノ関部屋、175センチ、140キロ
藪ケ崎晃仁(18)和歌山県有田市、山響部屋、180センチ、163キロ
中家ブルーノユウジ(15)愛知県半田市、山響部屋、180センチ、87キロ

7月
川上竜昌(22)熊本県宇土市出身、追手風部屋、185センチ、122キロ
高原契斗(18)神奈川県小田原市出身、二子山部屋、178センチ、119キロ佐藤明峰(16)東京都墨田区出身、荒汐部屋、175センチ、117キロ
西村和真(18)京都府宇治市出身、音羽山部屋、175センチ、153キロ

9月
ガンバト・オトゴンバト(21)モンゴル出身、玉ノ井部屋、197センチ、173キロ
バトツェツェゲ・オチルサイハン(23)モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋、185センチ、150キロ
伊藤光希(18)岩手県八幡平市出身、押尾川部屋、175センチ、125キロ

九州
武田琉斗(18)大分県佐伯市出身、中村部屋、170センチ、158キロ
トワードルジ・ブフチョローン(24)モンゴル出身、春日野部屋、180センチ、125キロ
関大将(18)福岡県篠栗町出身、境川部屋、172センチ、83キロ 

 

各紙より引用した。年間64人。年齢は15歳20人、16歳3人、17歳3人、18歳19人、19歳5人、20歳以上13人。しかしすでに4人リタイア。

 

中学卒業後即入門は年齢だけ見ると20人。昨年は14人だけに微増。中卒は年々減少し一大勢力ではなくなったが依然として一定層はいる。

 

体格平均を見ると身長は160センチ台6人、 170~174が18人、175~179が22人、180~84が12人、185以上6人。ガンバト・オトゴンバトの197cmが最高。中卒安田の187cm 、114kgというのも目立つ。

 

しかし体重は100キロ以下7人、100~119㎏が17人、120~139kgが21人、140~160kgが13人、160kg以上6人。大型力士は学生相撲が多いが、石井の177センチ、177キロ。少し大きすぎか。幕下付け出しの五島の181キロが最高だがもう十両。

モンゴルのムンフェルデネ・ブヤントグトフ(188センチ、156キロ)、ガンバト・オトゴンバト(197センチ、173キロ)、バトツェツェゲ・オチルサイハン(185センチ、150キロ)は体格でも優位。

 

体重は120キロ以上で40人と、体重だけは多い。熊井(71キロ)、身長は沢崎の166センチ。常ノ花の玄孫の山野辺もワーストを争う。

 

第一検査基準では13人が不合格となることに… 平均では176cm、125㎏ほど。体重は十分。軽量力士数人を除くと130kgを超えるはず。

 

部屋別では伊勢ヶ濱玉ノ井境川押尾川5人、高砂4人、二所ノ関二子山音羽山3人というところ。 大部屋の佐渡ケ嶽は1人。

 

出身地では 千葉5人、福岡4人というところ。秋田は3人で何れも押尾川。北海道1人、青森2人と寂しい。力士不毛の鳥取から1人。山形、宮城、茨城、新潟、福井、静岡、奈良、兵庫、島根、広島、高知、香川、佐賀がゼロ。

 

今年は64人と昨年より2人増えた。とはいえほぼ同じ。

 

旭富士など既に三役、大関を期待されている力士もいるが、どうなるか。

双葉山亡くなって57年。もはや同時期に生まれた明治の人もわずか。

 

未だ木鶏たり得ず。未だ69連勝は不滅。現状の相撲界には、そんな人材もなくおそらく更新は当分ないとみる。

 

この連勝、仮に更新されてもその輝きは失われないだろう。

 

一番出色といえるのが連勝のスタートが平幕。何の変哲もない始まり。こうした連勝は双葉山以前の谷風、梅ヶ谷、太刀山とも全く異質。梅ヶ谷は平幕スタートとはいえ、大阪相撲で大関という前歴があった。

 

そこが双葉山という人の双葉山たらしめているところ。年2場所とはいえまさに一人の力士の進化、進歩と星取がピッタリあった覇者交代。唯一無二に近いもの。

 

昭和11年春に、翌夏場所に初の優勝を全勝としたが、当時の雑誌座談会でも

 

花籠(三杉磯) 土俵態度といい、立ち合いといい、本当にますます貫禄が付いてきましたね。
伊勢ヶ濱(清瀬川) 今まで打っ棄りというようなのが、この人の欠陥だと思っていたが、この場所では一番しか2番しかやっていないから、こうなると欠陥というものは見出すことができないんじゃないかね。
鳴戸(太刀光) 欠陥といえば立ち合いが粗放だったんですよ。それがこの場所ではなかなか慎重になっていましたから。
加藤隆世 つまり双葉山は大成したから、大関に推薦されたということになったわけで、彼の人は出来上がったのですね。

 

100%に近い評価。まだようやく大関というのにべた褒め。もうこの時点で双葉山が第一人者となっていたとみていい。体力十分となりそれだけ圧倒する相撲であった。体力がついたことで打っ棄りの必要がなくなった。

 

 

 

もはや双葉山を見た人もほぼいない現代。何かしら顕彰する賞を設け、後世に残してほしいもの。