家に一本の古いカセットテープがあって(おそらくラジオを録音したもの)、フリントロックの『青春の栄光をめざして』というアルバムが収録されています。
(残念ながら現在、テープを再生できる環境にないですが・・・;;)
コード展開やメロディー等、なかなか良い曲がいっぱいだったと記憶しているんですけど、「そのフリントロックって、何だっけ?」ってところを、今回は考察してみたいと思います。
いろいろ調べてみますと、フリントロックとはつまりベイ・シティ・ローラーズが爆発的に売れた時代に出て来た「英国アイドルバンド」のひとつなのですね。
ベイ・シティ・ローラーズ
この時代はさまざまな英国中心のアイドルバンドが売り出していたようで、わかる限りで・・・・
・ベイ・シティ・ローラーズ(Bay City Rollers)
(派生としてロゼッタ・ストーン、スコッティーズ等)
・バスター(Buster)
・フリントロック(Flintlock)
・ハロー(Hello)
・デッド・エンド・キッズ(Dead End Kids)
・ショーティー(Shorty)
・ケニー(Kenny)
・チャイルド(Child)
・スリック(Slik)
・イーター(Eater)
・ティーンズ(Teens) ※ドイツのバンド
・ラビット(Rabbit) ※南アフリカのバンド
左から)バスター、デッド・エンド・キッズ、フリントロック
発売元もさまざまで、ソニー、東芝、ビクター、ポリドール等・・・
要するに、各レコード会社が「ベイ・シティ・ローラーズっていうのが売れてるの? じゃワシらも一発!」てな感じで、アイドルバンドの発掘・プロモーションに力を入れたのかと・・・
(東宝のゴジラ対する、大映のガメラ、松竹のギララ、日活のガッパみたいな?)
日本での売り方もスゴいです!
例えば、楽曲の邦題は・・・
『恋のロックン・ロール(Shang-A-Lang)』/ベイ・シティ・ローラーズ
『青春の夜明け(Dawn)』/フリントロック
『すてきなサンデー(Sunday)』/バスター
『想い出の17才(It's getting sweeter all the time)』/ショーティー
『初恋にレッツ・ゴー!(Have I The Right)』/デッド・エンド・キッズ
※『初恋にレッツ・ゴー!』のところで、思わず爆笑しちゃいますが…(@>▽<@)
しかし、まあ、今回はフリントロックの話(次回はあるのか?)!
「フリントロック」という文字で検索すると(日本文も英文も)、拳銃の「フリントロック式」というのばかりがヒットされちゃうんですが
情報の海の中から、バンドのフリントロックを出来る限り拾い上げてみました。
まず、そのメンバーは・・・
・デレク・パスコー(Derek Pascoe)/ヴォーカル、サックス
・ジョン・サマートン(John Summerton)/ギター、ヴォーカル
・ジェイミー・ストーン(Jamie Stone)/ベース、ヴォーカル
・ビル・ライス(Bill Rice)/キーボード
・マイク・ハロウェイ(Mike Holoway)/ドラム、パーカッション
9歳から子役として活動していたマイク・ハロウェイと、ジョン・サマートンが中心となり、エセックス・ミュージック・カレッジの仲間を誘って結成。
イギリスの子供向けコメディ番組「You Must Be Joking」(75年4月から放送開始)にレギュラー出演したことから、全英の注目を集めたそうです。
TV番組「You Must Be Joking」
自分の名前が書かれた衣装を着ている…(;^―^)
彼らは1枚のライブ盤を含め、4枚のアルバムをリリースしています。
On the Way(1975年12月)
『Go Go フリント~青春の夜明け』
イギリスでのリリースは1975年12月ですが、日本では77年に発売されています。
収録曲の『青春の夜明け』(Dawn)はシングルヒットし、1976年の夏にイギリスのシングルチャートでトップ30を記録したそうです。
日本でも多分この曲で人気に火が付いたものと思われます。
Hot from the Lock(1976年12月)
『青春のホット・ロック/フリントロック・ライブ』
彼らのセカンドアルバムとなるライブ盤ですが、日本ではサードアルバムとして、77年に発売されています。
フリントロックが当時レギュラー出演していたティーンポップの音楽情報番組『Pauline Quirkes』での演奏をまとめたものだそうです。
Tears 'n' Cheers(1977年8月)
『青春の栄光をめざして』
サードアルバムですが、日本ではセカンドとして77年に発売されています。
この1977年というのが、どうやら英国アイドルバンドブームの絶頂期だったようで、彼らはこの年、プロモーション来日も果たしているようです。
収録曲『アラマス・レディー』(Amorous Lady)『恋する青春』(Anything for You)がヒット!
Stand Alone(1979年2月)
『青春の仲間たち』
「どんだけ『青春』好きなんだって」感じですが(笑)、彼らのラストアルバム。
この頃には、おそらくアイドルバンドブームも下火になっていたと思われます。
背景には新しく台頭してきたパンク、ニューウェイヴブームがあったそうな・・・。
尚日本ではこれら4枚のアルバムは2009年にリマスタリングされ、CDで再発されています。
またシングルの話をすると、フリントロックは日本で通算12枚をリリースしていて、例えば5枚リリースのバスターと比べても、地味に人気があったのかなと推測します。
尚、英国アイドルバンドブーム絶頂期1977年の出来事は・・・
・青酸コーラ事件(出来事)
・王貞治、通算本塁打756号(スポーツ)
・キャンディーズ引退(芸能)
・ビックリマンチョコ(商品)
・ヤッターマン(アニメ)
・電線音頭(ギャグ)
・たたりじゃー(流行語)
・人間の証明(映画)
では最後に、フリントロックのヒット曲『恋する青春』(Anything for You)が、YouTubeが聴けますので、ご紹介します。
ギターのアルペジオからオルガンが絡むところなんか、いかにも当時の音ですけど、美しいメロディーラインに、ちょっと胸がキュンとしちゃいます(*'ー'*)
Anything for You/FLINTLOCK
『恋する青春』/フリントロック
聴けなくなった曲を動画でアップして下さって、どこの国のかたか存じませんが、wainwright3さん、Thank You~ ( ̄ー ̄)b